地震の後にお湯が出ない!給湯器の復旧方法や安全装置の解除は?
2020年5月27日 更新地震があると、ガスが止まることがあります。特に地震と分かるくらいに揺れると、ガスが止まってしまうことも珍しくないのです。しかし、ガスが止まってしまうと、給湯器やガスコンロが使えなくて困りますよね。
そこで、地震後にガスが止まったときの対処法や復旧方法について詳しく解説していきます。地震で止まったガス給湯器などの復旧方法も解説していくので、ガスが止まって困ったときの参考にしてください。
目次
1 地震後にすることは?
地震の直後にすることは安全確保が第一。ガスを復旧したり給湯器を復旧したりする前に、まずは安全を確保しましょう。安全であることを確認できてから、紹介する対処法を試してください。
1.1 ガスが止まる原因は地震以外にもある
給湯器に限らず、ガス機器はガス管から送られているガスを使っています。このガスは「マイコンメーター(ガスメーター)」で管理されていて、ガスメーターは地震の大きな揺れなどを感知すると、自動でガスの供給を止めるのです。
地震の場合、ガスメーターが震度5に相当する揺れを検知するとガスを自動でストップ。家庭のガス機器が使えなくなってしまいますが、地震による二次災害を防ぐために安全装置が機能しているだけなので不安にならないようにしましょう。
また、ガスが止まる原因は地震だけではありません。ほかにも、次のような原因でガスの供給が止まる仕組みになっているのです。
- 地震(震度5相当の揺れ)
- ガスメーターに対する衝撃
- ガス漏れの検知
- ガス圧の低下
- 想定以上のガスの継続使用など(1時間以上)
地震が原因でガスが止まった場合、おそらくは自分も揺れを感じているはずなので、間違うことはあまりないでしょう。しかし、自分が分からない程度の揺れでも、何らかの原因でガスメーターが大きく揺れてガスが止まることもあります。
また、ガスメーターに物や人がぶつかるなどして、気づかない間にガスが止まってしまうこともあるのです。ともかく、ガスが止まる原因は地震だけではないことに要注意。地震でガスが止まったと思っても、ほかの原因がないかを確認することも大切です。
1.2 地震でガスが止まったときの対処法
地震が原因でガスが止まった場合、ガスメーターの安全装置が機能したと言えます。この安全装置はガス漏れ対策のために機能しているのです。そのため、地震で家庭にガス漏れが起きていなければ、ガスメーターの安全装置を解除してガスの供給を戻すことが可能。
例えば、地震によってガス管などが破損した場合、ガス漏れが起きてしまいます。見える場所のガス管であれば、破損したことが分かるでしょう。しかし、壁の中のガス管が破損した場合などは、自分で分からないことがありますよね。ガスメーターはそういうガス漏れによって火災や事故が起きるのを防ぐために、地震の揺れを感知した段階で安全装置が働いてガスが止まるという仕組み。そのため、地震でガスが止まったときは「ガス漏れを確認すること」が第一です。
一般的に、都市ガスなどにはニオイがつけられています。いわゆる「ガス臭」はガス漏れを分かりやすくするための工夫なので、地震でガスが止まった場合はガス臭がするかどうかを確認。ガス漏れがあった場合には、速やかにガス会社に連絡しましょう。
また、ガス漏れがあった場合、電気のスイッチを触ったり、換気扇を回したりするのは危険。静かに窓を開けて、ガスの元栓などを閉めてください。あまりないと思いますが、コンロに火がついているような場合は速やかに消しておきましょう。
ガス漏れの確認が終わって、ガス漏れがない場合に限ってガスの復旧作業に取りかかります。ただし、大きな地震の直後はガス会社からのガスの供給が止まっていることがあるので要注意。ガスの供給がなければ、家庭でガスの復旧作業をしても意味がありません。テレビやラジオ、インターネットなどを活用して、ガスの供給が止まっていないことを先に確認しておくのも重要なポイント。落ち着いて対処するようにしてください。
2 ガスや給湯器の復旧方法とは?
ガス漏れがないことを確認して安全が確保できたら、ガスの復旧作業に入ってください。ガス会社がガスの供給を続けていても、自宅のガスメーターが地震を検知してガスの供給をストップしていれば、ガスは使えません。自分でガスメーターの復旧を行いましょう。
2.1 復旧する前にガスの元栓を閉めよう
ガスメーターを復旧する前に確認しておきたいのが、次の5つのポイント。
- ガス漏れがないか、もう一度確認する
- すべてのガス機器を止める(スイッチは「切」、器具栓は閉める)
- 給湯器など、屋外のガス機器も止める(スイッチは「切」、器具栓は閉める)
- ガスの元栓を閉める。閉めたことを確認する
- ガスメーター(マイコンメーター)の取扱説明書があれば用意する
ガスメーターの復旧作業をする前に、この5つのポイントをチェックしてください。
ガス漏れがないことは確認済みと思いますが、念のために再度確認。ガス臭などがないことを確認しておきましょう。
次に、ガス機器をすべて止めます。ガスコンロを消すのは言うまでもなく、ガスファンヒーターなどがあれば、スイッチをオフにしてコンセントを抜きます。ガス管を外す必要はありませんが、ガスファンヒーターがつながっている「器具栓(ガスの元栓)」も閉めるようにしてください。また、屋外に給湯器などのガス機器があれば、同様に対応。可能な範囲で、器具栓を閉めたりスイッチをオフにしてコンセントを抜いたりするのがポイント。
ガスの元栓は、ガス管やガスホースに対して、元栓のつまみを「十字」の状態にするとガスが止まります。反対にガス管やガスホースとつまみを「平行」にすることで、ガスが出るようになるのです。また、ガスの元栓を開けるときは、つまみを押し込んだ状態で回す必要があります。そのままガスの元栓を回しても動かないので、慌てずに元栓のつまみを持ったら、一度押し込んだ状態にしてゆっくりと回しましょう。
最後に、ガスメーターの取扱説明書が手元にあれば、用意しておきましょう。ガスのメーターは「ガスメーター」や「マイコンメーター」と呼ばれていて、ガス会社ごとに形状が異なる場合があるのです。都市ガスとLPガス、業務用のガスメーターもそれぞれが異なるため、取扱説明書があるほうが便利。もしも手元に取扱説明書がなければ、スマホでOK。契約しているガス会社のホームページにアクセスすると、ガスメーターの復旧方法と一緒にガスメーターの説明図が載っていますよ。
2.2 都市ガスやLPガスの復旧方法
都市ガスやLPガスのガスメーターは、次の手順で復旧します。
1. ガスメーターを確認する |
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2. 赤いランプの点滅を確認する |
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3. 復帰ボタンのキャップを外す |
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4. 復帰ボタンを奥まで押し込む |
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5. ガスを使わずに3分間待つ |
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6. 復帰ボタンのキャップを戻す |
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ほとんどのガスメーターやマイコンメーターで、ガスの復旧方法は共通。ただし、赤いランプの位置や復帰ボタンの場所などが異なるため、スマホや取扱説明書などでそれぞれの配置を確認しながら復旧作業を行うことが大切です。
復旧方法の手順通りに試してもガスが復旧しない場合はガス会社へ連絡。この場合、どこかからガスが漏れているおそれがあります。自分では分からない場合もあるため、必ずガス会社へ連絡して、作業員が到着するのを待ちましょう。ただし、ガスの元栓を閉め忘れていると復旧できません。そのため、ガスの元栓の閉め忘れに要注意。
2.3 給湯器の復旧は?
多くの給湯器がリセットされることで復旧。ただし、給湯器が復旧しても、設定が保持されていない場合があるので、注意しておきましょう。
ガス給湯器であれば、設定した出湯温度などがリセットされていることが多いです。エコキュートでは時刻設定がリセットされてしまう場合などがあります。いずれの場合も設定内容がリセットされただけであれば、再度設定することで給湯器を使えるようになるので問題ないのです。また、エコキュートが復旧しないと思っている場合でも、時刻を設定すると、自動で復旧するケースがほとんどです。
しかし、ガス給湯器の場合は少し事情が複雑になります。ガスメーターを復旧してもガス給湯器が復旧しない場合、ガス給湯器に異常がある場合と停電している場合の二通りが考えられます。しかも、停電の解消後にガス給湯器の故障が発覚する場合もあるので要注意。ガスメーターを復旧させてガス給湯器をリセットしても復旧しない場合は、念のためにガス会社などに連絡しましょう。
そして、ガス給湯器が復旧しない場合はガス漏れの場合もあります。近くにいると引火するおそれがあるので注意が必要。ガス漏れがあって停電していれば、通電火災のおそれもあるため、離れておくなどの対策が必要になります。ガス漏れがなくて停電しているだけであれば、コンセントを抜いておくことで通電火災を防ぐことができますよ。
3 まとめ
地震後にガスや給湯器が止まったときの復旧方法と対処法を解説してきました。ガスメーターは自分で復旧することができますし、多くの給湯器がリセットすることで復旧します。もしもリセットしても復旧しない給湯器があれば、地震の影響で故障しているおそれがあります。二次災害にならないように、速やかにガス会社などへ連絡しましょう。