エコジョーズのドレン排水は垂れ流し?配管工事例や凍結防止方法
2019年12月23日 更新エコジョーズは高効率のガス給湯器で便利ですが、ドレン排水が出るというデメリットもあります。しかも、ドレン排水は中和されているので、垂れ流しにしても良いと思う人もいるかも知れませんが、適切に処理するべきという意見もあって迷うのではないでしょうか。
そこで、エコジョーズのドレン排水の処理について詳しく解説します。エコジョーズのドレン排水を垂れ流しにしないほうが良い理由やドレン配管工事例、ドレン配管の凍結防止方法など、エコジョーズのドレン排水に関する疑問解消に役立ててください。
目次
1 エコジョーズのドレン排水を垂れ流してはいけない理由
エコジョーズは、ガスバーナーでお湯を沸かすときに出る「約200度の排熱」を回収して、加熱する前の水道水を温めるために再利用しています。つまり、エコジョーズは沸かす前の水が排熱で温められているため、水道水を加熱してお湯を沸かすガス給湯器よりも高効率。通常のガス給湯器よりも10数%も効率アップしています。
一方で、エコジョーズの仕組みでは、排熱が冷やされることなどで生じる凝縮水が発生。この凝縮水が「ドレン排水」と呼ばれています。しかも、ドレン排水はガスの燃焼に由来することで、その性質は「酸性」となっているのです。そのようなこともあって、ドレン排水は適切に扱う必要があると政府機関や自治体は取り決めています。
ただし、ドレン排水はエコジョーズに備わっている中和器によって中和されています。そのため、直接人体に影響を及ぼす訳ではありません。ですから、特別な処理方法がある訳ではなく、基本的には「汚水」や「雨水」として処理すれば良いという取り決め。エコジョーズのドレン排水という名称に惑わされる必要もないですし、処理方法を難しく考える必要もないのです。
しかしながら、エコジョーズのドレン排水は体に影響がないとはいえ、そのまま垂れ流しにしても良いとは言えません。なぜならば、ドレン排水が垂れ流しになっていると、エコジョーズの周辺は水浸しになるおそれがあるからです。
湿気によって家が傷んでしまうおそれもありますし、エコジョーズの周囲の汚れも気になってしまいます。少しでも土やコンクリートのすき間があれば雑草なども生えて見栄えが悪くなりますし、後々のことを考えると適切に処理しておくほうが良いということが多くなるのです。そのため、エコジョーズのドレン排水は適切な処理が基本。ドレン排水の配管工事をして、汚水や雨水と同じように処理を行いましょう。
2 エコジョーズのドレン排水の配管工事例とは?
エコジョーズのドレン排水は、エコジョーズを設置するときに設置業者が配管工事を行ってくれます。また、エコジョーズの設置ではドレン排水の配管工事をすることが基本のため、多くの業者でエコジョーズの標準工事費にドレン排水の配管工事費用を含んでいるはずです。そのため、ドレン排水の配管工事はエコジョーズの設置業者に任せておくのが最適。適切にドレン排水が処理できるように配管工事をしてもらいましょう。
ただし、ドレン排水の配管工事が別料金になっていたり、ドレン排水の配管工事費用などが含まれていなかったりすることもあるため、注意が必要。必ずドレン排水の配管工事が行われるかどうかを確認してください。
エコジョーズのドレン排水の配管工事例には、次のようなものがあります。業者によるドレン排水の配管工事を確認するときの参考にしてください。
戸建て住宅のドレン排水の配管工事例 | |
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雨水系統へ排出(側溝へ排出) |
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雨水系統へ排出(雨水立て管へ排出) |
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汚水系統へ排出 |
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集合住宅のドレン排水の配管工事例 | |
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PS設置(雨水側溝へ排出) |
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PS設置(立て管へ排出) |
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バルコニー設置(雨水側溝へ排出) |
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バルコニー設置(立て管へ排出) |
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ドレンアップ方式 |
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エコジョーズの設置状況によって異なりますが、エコジョーズから近い側溝や立て管にエコジョーズのドレン管を延ばして接続する方法が一般的。汚水桝との接続では配管を上に向ける「臭気止め」をしたり、エコジョーズに排水が溜まらないように直接接続しなかったりする工夫がされます。家庭の状況によって異なる点も多いため、詳しいドレン排水の配管工事内容は業者に確認しておきましょう。
また、ドレン排水が垂れ流しになっている場合は速やかにドレン排水用の配管工事をすることが望ましいと言えます。最近ではドレン管を立て管(雨どい)に接続するアダプターにはパッキンがついていて、すき間を目地材などで埋める作業(コーキング)を行う必要がない部材なども販売。ドレン配管も「エコジョーズドレンホース」などの名称で販売されていて、とても分かりやすくなっているのです。
DIYが得意であれば、自分でも配管工事が簡単にできます。一時しのぎであれば、配管に必要な部材もホームセンターなどで購入できる「塩ビ管」でも代用可能。ともかく、ドレン排水を垂れ流しにすると悪影響が出るおそれがあるため、エコジョーズのドレン排水は垂れ流しにしないようにしましょう。
3 ドレン配管の凍結を防止するための方法
冬が特に寒い寒冷地では、エコジョーズのドレン配管も凍結するおそれがあります。エコジョーズのドレン配管が凍結すると、エラーが表示されてエコジョーズが使えなくなるのです。そのため、水道管と同様に、エコジョーズのドレン配管も凍結対策が必須。ドレン配管が凍結しないように凍結防止策を徹底しておくようにしましょう。
エコジョーズのドレン配管の凍結防止方法には次のようなものがあります。
- 凍結防止用の保温材を巻きつける
- 凍結防止用のヒーターを設置する
最も簡単なのは保温材を巻きつけるという凍結防止方法。エコジョーズのドレン配管に限らず、水道管などにも利用できる凍結の予防策です。保温材もホームセンターなどで簡単に購入できるため、凍結のおそれがあるかどうかに関係なく、ドレン配管に保温材を巻きつけておきましょう。
ただし、保温材は経年劣化があるというのが一般的で、数年ごとに新しい保温材に交換することが大切です。もしも保温材を巻くという凍結の予防策にする場合は、保温材の交換も忘れないようにしてください。
また、凍結防止ヒーターは保温材よりも確実な凍結防止方法。コンパクトタイプや長いドレン配管に対応した強力タイプなど、種類も豊富になっています。ドレン配管用の凍結防止ヒーターは自己温度制御型ヒーターが使われていて、安全性と耐久性、省エネにも効果的です。屋外コンセントに余裕があれば、凍結防止ヒーターをおすすめします。
そのほか、エコジョーズなどの給湯器の多くは凍結防止用のヒーターを内蔵。電源プラグを差し込んでおけば、凍結のおそれがある温度になったときに自動でヒーターが作動します。そのため、ドレン配管の凍結防止と同時にエコジョーズ本体の凍結防止策として、電源プラグを差し込んでおくことも忘れないようにしましょう。
もしも凍結防止方法を試す前に凍結してしまった場合は、次の方法を試しましょう。
- 配管に布やタオルを巻きつける
- ぬるま湯(約50度)を巻きつけた布やタオルにかける
- 凍結が解消したら布やタオルを外す
- 配管の水分を拭き取る
凍結した場合は気温上昇による「自然解凍」が基本。自然にゆっくりと解凍することで配管などの損傷を抑えることができます。そのため、上の解凍方法はどうしても困ったときの対策と考えておきましょう。また、熱湯を使うと早く解凍できると考えがちですが、配管の損傷につながるおそれがあるため、必ずぬるま湯を使ってください。
4 まとめ
エコジョーズのドレン排水の処理方法や配管工事例、凍結防止方法などを解説してきました。ドレン排水は適切に処理しなければ、住居が傷む原因となるおそれもあります。もしもエコジョーズのドレン排水が垂れ流しになっているのであれば、自分で配管工事をするか、専門業者に配管工事を依頼しましょう。そのときは凍結防止策も忘れないようにしてくださいね。