電気温水器とガス給湯器の違いを比較!交換するメリットは電気代?
2018年12月21日 更新電気温水器やガス給湯器は一般的な給湯システムですが、どちらが良いのかで迷うこともよくあります。また、電気温水器は電気代が高いとされているので、電気温水器からガス給湯器への交換を考えている人もいるのではないでしょうか?
そこで、電気温水器とガス給湯器の違いを比較しながら紹介します。もしも電気温水器とガス給湯器で迷っているのであれば、それぞれを比較したデータを紹介しているので、一度確認しておくと参考になりますよ。
目次
1 電気温水器とガス給湯器の違いを比較!
電気温水器とガス給湯器の違いは何か、詳しく知っている人は少ないですよね。そこで、電気温水器とガス給湯器の基本からそれぞれの違いまで、比較しながら紹介します。
1.1 電気温水器とは?
電気温水器とは、電気ヒーターの熱を利用してお湯を沸かすという給湯システム。電気温水器に付属する貯湯タンクに水を貯めておき、その水を電気ヒーターで加熱しながらお湯を沸かしていきます。電気ヒーターなので、火を使うようなシステムではありません。そのため、安全性は高いとされているのです。
また、電気ヒーターの熱だけでお湯を沸かすため、電気代はかなり高め。パワフルなガスや灯油などを使う給湯システムと比較すると、どうしてもコスト面で電気温水器は負けてしまうのです。
ただし、電気温水器でも深夜電力だけでお湯を沸かすのであれば、コストはかなり安くなります。深夜電力でお湯を沸かす場合、ランニングコストは安くなる反面、昼間にお湯切れが起きると高額なコストがかかるというデメリットもあるのです。
1.2 ガス給湯器とは?
ガス給湯器とは、ガスバーナーの熱を利用してお湯を沸かすという給湯システム。ガス給湯器は「直圧式(瞬間式)」と「貯湯式」の2種類がありますが、どちらのガス給湯器もガスバーナーの熱でお湯を沸かしていきます。
直圧式のガス給湯器は水道から細い配管を引いておき、その配管をガスバーナーで加熱して配管内の水を沸かす仕組み。使う度にお湯を沸かすという仕組みになっていて、本体がコンパクトというメリットなどがあります。
また、貯湯式のガス給湯器は電気温水器と仕組みはほぼ同じです。貯湯タンクに貯めた水をガスバーナーで加熱することでお湯を沸かすという仕組み。電気温水器と仕組みはほぼ同じですが、ガスバーナーのほうがパワフルなので、光熱費は貯湯式のガス給湯器のほうが安くなるのです。
1.3 電気温水器とガス給湯器の違いを比較!
電気温水器とガス給湯器の違いを比較しながら紹介したいと思います。
電気温水器 | 比較する内容 | ガス給湯器 |
---|---|---|
140,000円~(給湯専用を含む) | 導入費用(工事費込み) | 41,500円~(給湯専用を含む) |
約103,900円/約8,658円 | ランニングコスト 年/月(パナソニックの試算) | 約61,200円/約5,100円 |
貯湯タンクの分だけ大きい | サイズ | 直圧式ならコンパクト |
約15年~ | 耐用年数 | 約10年~ |
ガス給湯器よりも弱い | 水圧(シャワー) | 電気温水器よりも強い |
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主なメリット |
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主なデメリット |
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電気温水器とガス給湯器を比較する場合、最初に注目するのが導入費用の違い。ガス給湯器は給湯専用のシステムであれば、比較的安く導入することができます。追いだきなどの機能はありませんが、お風呂に入るだけであれば十分です。サイズもコンパクトなので、アパートなどで一人暮らしをしている人でも導入しやすいのが、ガス給湯器と言えます。
一方で、電気温水器は貯湯タンクがあることなども含めて、どうしても導入費用が高くなります。ここがガス給湯器との大きな違い。
また、電気温水器とガス給湯器のランニングコストは、東京電力管内のコストでパナソニックが試算したデータを抜粋しています。これを見れば、ガス給湯器のほうがランニングコストは安いと感じますが、電気温水器のほうは深夜電力で算出されている訳ではないのです。そのため、電気温水器を使うときに深夜電力でお湯を沸かすというプランに加入していれば、ランニングコストはもっと安くなります。地域差などもありますが、電気温水器の方が安くなることもあるのです。
ただし、デメリットの項目に記してあるように、深夜電力の契約で電気温水器を使う場合は追いだきなどに注意が必要。一般的にお風呂に入る時間帯は深夜電力の時間帯ではありませんので、電気代が高くなることがあるのです。
また、昼間に多くのお湯を使ってしまうと、電気温水器はお湯切れになってしまうこともあります。ガス給湯器の場合は、その都度お湯を沸かしながら使っていけます。しかし、電気温水器は貯湯タンクに貯めているお湯を使い切れば、もう一度お湯を沸かすしかないのです。このときは深夜電力が使えないため、電気代がかさむことになります。
そのほか、電気温水器とガス給湯器の大きな違いとされるのが、シャワーの水圧。シャワーにこだわる人は多いのですが、意外と給湯システムを見直したり交換したりするときに見落としてしまいます。
電気温水器は貯湯タンクに貯めたお湯を使うということもあって水圧は弱め。水道と同等の水圧を再現できる電気温水器もありますが、こちらは導入費用がさらに高くなります。貯湯タンクを大きめにするなどの工夫も必要になり、ガス給湯器と違って意外と面倒な点もあるのです。
2 電気温水器を交換するなら?
電気温水器からガス給湯器に交換するメリットはあるのでしょうか?電気温水器の交換で迷っている人のために、どうすれば良いのかを解説していきます。
2.1 電気代などの光熱費が安くなる?
電気温水器からガス給湯器に交換する場合、電気代などの光熱費が安くなると考えている人がいます。確かに電気温水器とガス給湯器の違いを比較した一覧表にあるように、ランニングコストはガス給湯器のほうが安いと言えます。
しかし、深夜電力の契約している場合などは、電気温水器のランニングコストは「月額3,000円」くらいということも珍しくないのです、もちろん、追いだきの時間や昼間の沸き増しなどがあれば、それだけコストが増えてガス給湯器と変わらなくなることもあります。それでも、必ずしもガス給湯器に交換すれば、電気代などの光熱費が安くなるとは限らないことも忘れないようにしましょう。
一方で、電気温水器を使っていて、深夜電力のプランにしていない場合はガス給湯器に交換するだけで電気代などの光熱費を抑えることができるのです。そのときは新しい電気温水器を交換せずにガス給湯器に交換するのがおすすめです。そうすることで大きなメリットを得られます。
ただし、ガス給湯器に交換しなくても、新しい電気温水器にして電力契約プランを見直すという方法もあるのです。生活サイクルにもよりますが、電力契約を見直せるのであれば、ガス給湯器に交換するメリットがあるとは言い切れませんよ。
2.2 将来を見据えて考える必要がある
電気温水器からガス給湯器へ交換した人は、交換するメリットを電気代だけと考えている訳ではありません。多くの人が「家族構成の変化」や「生活の変化」が将来的に生じることを見据えていると言えます。
例えば、子どもがいる家庭の電気温水器が古くなった場合、子どもも家族の人数に入れて新しい電気温水器の貯湯タンクの容量を決定。しかし、子どもが成長すれば、一人暮らしを始めることもあり、現在の家は夫婦二人だけになってしまうことも十分にあることです。
この場合、電気温水器の貯湯タンクの容量は子どもの分も入っているため、必要以上のお湯を沸かして貯めておくということになります。これは大きな無駄ですね。また、将来的に老いた親が同居することになる可能性もあります。そうなれば、電気温水器の貯湯タンクの容量が足りなくなることも考えられるのです。
このように、将来的に家族構成や生活に変化が生じることは珍しくないことです。そのため、将来の状態まで考えて電気温水器の貯湯タンクの容量を決めるのはとても難しいことと言えます。そういう将来の変化に対応する方法の一つが、電気温水器からガス給湯器への交換。
ガス給湯器であれば、お湯を使うときに沸かしているため、使う湯量が変化しても簡単に対応できるのです。過不足が生じることもなく、家族構成や生活の変化にスムーズに対応していけると言えます。つまり、これも電気温水器からガス給湯器へ交換するメリットになるのです。
2.3 ガス機器を使うならガス給湯器へ
電気温水器からガス給湯器へ交換することを考える場合、ガス機器をどのくらい使いたいのかも考える必要があります。例えば、給湯システムの交換と同時にガス温水式の浴室暖房乾燥機や床暖房を設置するのであれば、電気温水器よりもガス給湯器のほうが効率的。ガス代を節約することもできますし、エアコンなどを使わないことで電気代の節約にもつながります。
一方で、給湯システムだけを交換して、ほかのガス機器を使わないのであれば、ガス給湯器に交換するメリットが多いとは言い切れません。つまり、たくさんのガス機器を使うほうが、ガス給湯器に交換するメリットがより大きくなるのです。そのことも頭に入れたうえで、電気温水器とガス給湯器のどちらが良いのか、検討する必要があります。
また、単純にガス給湯器にして電気代などの光熱費を節約したいのであれば、ガス給湯器にしなくてもオール電化にするという方法などもあります。オール電化で電気温水器をエコキュートにすれば、電気代はかなり節約可能。ガス代もすべて電気代に統一されることで、電気代が高くなってもトータルコストは安くすることができます。
要するに、電気温水器とガス給湯器の電気代やランニングコストのみを考えるのではなく、全ての光熱費のトータルコストがどうなるかを考えてから交換する必要があるのです。電気温水器をガス給湯器に交換して電気代が安くなっても、ガス代が増えたことでトータルコストが増えてしまえば、全くの無意味。上手に節約するためには、電気温水器やガス給湯器といった給湯システムだけの光熱費を考えずに、給湯システム以外のコストも含めて最も節約できる方法を考えることが大切ですよ。
3 まとめ
電気温水器とガス給湯器の違いを比較しながら紹介してきました。電気温水器からガス給湯器への交換はメリットがある場合もありますが、人によってはメリットが少ないこともあるので注意しておきましょう。また、電気温水器とガス給湯器で迷っているときは、トータルコストでどちらが節約できるかを考えるようにしてくださいね。