トイレの水位が急に下がる原因!水量が少ない時の調整と対処法
2018年11月2日 更新トイレに入ったとき、いつもよりもトイレの水位が下がっていて驚いたことはありませんか?トイレに溜まっている水は「封水」と言いますが、様々な原因で下がったり上がったりしてしまいます。
実は、トイレの水位が下がる原因はいくつかあります。そして、トイレの水位が下がった状態で放置すると、トイレが使えなくなるおそれもあるのです。ここでは、トイレの水位が下がる原因と対処法、トイレの水量の調節などについて、詳しく解説しています。
目次
1.トイレの水位が下がる原因とは?
トイレに溜まっている水は封水と呼ばれています。また、トイレの封水が下がる原因は複数あって、ほとんどケースは一時的な原因です。しかし、トイレの水位が下がる原因の中には、トイレが使えなくなるような深刻な原因もあるので注意しておきましょう。
1.1 トイレットペーパーなどが詰まっている
トイレの封水が下がる原因として、比較的多いのがトイレットペーパーなどの詰まり。トイレの水の流し方が不十分だったり、排水管にトイレットペーパーがくっついたりして、一時的にトイレの排水管にトイレットペーパーが残ってしまう場合があります。このとき、トイレの排水管の中では「毛細管現象」と呼ばれる現象が起こるのです。
毛細管現象が起こると、トイレの水を流していなくても水が排水管のほうへ引き寄せられてしまいます。分かりやすい例では、服に醤油などをこぼしたときに、何もしなくてもシミが拡がっていきますよね。あれと同じことがトイレの排水管で起こって、トイレの水位が下がる原因となるのです。
また、トイレの水位を下げる原因となる毛細管現象は、排水管が狭くなれば起こりやすくなります。そのため、トイレットペーパー以外の物がトイレの排水管を塞いだ場合も、同じようにトイレの水位が下がるのです。つまり、トイレに何かを落とした場合、それが排水管を塞いでトイレの水位が下がる原因となることもあります。
1.2 天気や下水工事などが原因
トイレの封水が下がる原因で、急に水位が下がる場合に多いのが、天気や水道工事の影響。特にトイレットペーパーを流しすぎたり、物を落としたりしていないのにトイレの水位が下がった場合に多い原因です。
天気や水道工事は、トイレの排水管の「圧力を下げる」ことがあります。もちろん、近くで水道工事があると、必ずトイレの排水管の圧力が下がるとは限りません。天気でも同様です。しかし、トイレの排水管の圧力が下がってしまうと、トイレの封水は圧力の低いほうへ流されてしまうため、水位が下がります。
反対に、豪雨などで下水道の水量が増えている場合は、トイレの排水管の圧力が高くなることがあります。すると、トイレの封水が上がる原因となり、トイレが逆流することまであるのです。天気は気圧の変化を生み、トイレの水位を下げたり上げたりする原因となりやすいので、注意が必要ですよ。
1.3 排水管に問題がある
トイレの水位が下がる原因には「排水管などの設置ミス」もあります。使い続けているトイレの水位が下がる原因としては考えにくいことですが、新築住宅のトイレなどではまれにある原因。トイレの排水管などを改善しなければならないため、早めに気づくことが重要になります。
トイレの排水管は、段差などを乗り越えて効率良くトイレットペーパーなどを流すために「サイフォンの原理」を用いています。例えば、サイホンゼット式便器などがその代表。 サイフォンの原理は、水がある場所に水で満たされた管を入れることで、高低差がある場所を乗り越えて水を移動させることができるという原理です。つまり、トイレのS字の配管などの段差を越えるために使われているのですが、トイレの排水管などの設置具合でこの原理が適切に作用しないケースがあるのです。
サイフォンの原理が上手く作用しない場合、トイレの水位が下がる原因となるのです。この場合は、トイレの排水管をやり直すほうが良いとされています。
参考動画: https://youtu.be/XVROcPGFU-8
1.4 タンクの中に異常がある
トイレの水位が下がる原因がトイレタンクに問題がある場合もあります。つまり、トイレタンクの水が少ないことなども、トイレの封水が下がる原因になるのです。
トイレタンクを扱うことはあまりないと思われます。そのため、トイレタンクを掃除したり、トイレタンクの故障を修理したりしたというのでなければ、これがトイレの水位を下げる原因とは考えにくいと言えるでしょう。
1.5 封水が蒸発した
長く使っていないトイレの水位が下がる原因で多いのが、封水の蒸発。水は置いているだけで蒸発していきます。それはトイレでも同じです。
トイレを流せば、新しい水が流れてきて水位が安定します。しかし、トイレも長く使っていなければ、コップに水を入れて放置しているのと同じ状態になるため、封水も蒸発して水位が下がるのです。
1.6 便器の破損
トイレの水位が下がる原因としては珍しいのが、便器の破損。しかし、便器が破損していれば、そこから水が漏れてしまうため、トイレの封水が下がる原因ともなるのです。便器の破損が原因でトイレの水位が下がる場合は、見た目でも分かりやすいと言えます。トイレの中を確認して水漏れなどがなければ、便器の破損は考えなくても良いでしょう。
2.トイレの水位が下がるときの対処法
トイレの封水が下がる場合、業者に修理を依頼することも大切です。しかし、一時的にトイレの水位が下がっているだけという場合もあるので、まずは自分でできる対処法を試してみましょう。
2.1 トイレやタンクの中をチェックする
トイレの水位が下がる場合、最初にするのはトイレやトイレタンクのチェック。いつもと違うところがないか、トイレをしっかりとチェックしてみましょう。
まずは、トイレの水位が下がっているときに、トイレに水漏れがないかをチェックします。便器が破損して封水が下がる場合、トイレに水漏れがあったり、トイレが水浸しになっていたりするということもよくあるのです。ほとんどない原因ですが、絶対にない訳ではないため、最初にチェックしましょう。
次に、トイレタンクをチェックします。トイレタンクの水が減ってしまうと、トイレを流すときの水量が少なくなったり、トイレの封水が溜まらなくなったりします。そのため、トイレタンクに水があるかをチェックするのです。
トイレタンクのチェックポイントは、以下の通りです。
- 浮き玉は引っかかっていないか?
- 止水栓は開いているか?
- タンク内の部品が壊れていないか?
- 断水していないか?
この4点をチェックしましょう。トイレタンクの水位が下がる場合、タンク内の細かい部品の劣化などもありますが、専門業者でなければ分かりにくいですよね。また、トイレタンクもこのくらいチェックができれば、問題があるかどうかは分かりますよ。
2.2 近くで水道管の工事がある?ない?
トイレタンクに異常がなければ、次に水道工事の有無をチェック。水道工事に伴う断水があれば、トイレタンクに水が溜まらず、トイレの封水が下がる原因を作ってしまいます。また、トイレの排水管の圧力を下げて、トイレの水位が下がることもあるのです。そのため、水道工事の有無を調べてみます。同時に天候による気圧の変化も調べてみると良いですよ。
2.3 トイレが詰まっていないかを確認
トイレタンクなどに異常がなく、水道工事などもなければ、次に疑われるのがトイレの詰まり。トイレットペーパーを流しすぎたり、トイレに物を落としたりしていないかをチェックします。
トイレットペーパーの使いすぎについては、子どもがポイント。子どもはトイレットペーパーを使いすぎることもありますし、面白がってトイレに無駄に流してしまうということも少なくないのです。
トイレに物を落としていないかどうかは、普段身につけている物をチェックしましょう。時計やアクセサリー、トイレの置物などが気づかない間にトイレに落ちてしまうということもあります。
トイレットペーパーや物が詰まっているかも知れないと思う場合は、ホームセンターなどで手に入る「ラバーカップ(トイレのスッポン)」で対処しましょう。トイレットペーパーを使い過ぎたことなどが原因の場合、ほとんどはこれで対処できますよ。
ただし、スマホなどを落とした場合、ラバーカップでは取り出せないこともあります。この場合は、自力の対処法では難しいケースが多いと言えるでしょう。手で取れないような位置にあるときには、すぐに業者に依頼しましょう。
2.4 水を流してみる
トイレが詰まっている訳ではない場合、一度トイレの水を流してみるという対処法を試します。トイレの排水管の圧力が原因だったり、トイレットペーパーが少し引っかかっていたりする場合は、トイレの水を流すことで解消されるのです。
トイレの流し方が不十分だったり、トイレの封水が蒸発していたりする場合なども、水を流すことで対処できます。水を流したことでトイレの水位が戻れば、それらが原因だったと言えるでしょう。
2.5 業者に修理を依頼する
すべての対処法を試してみても、トイレの水位が下がったままの場合は、自分では原因が特定できないこともあります。この場合は速やかに専門業者に修理や点検を依頼しましょう。
トイレ修理の専門業者に心当たりがある場合は連絡しても良いですが、分からない場合には工事屋さん.com( https://ko-jiyasan.com/ )などの一括査定サイトなどを上手に活用して業者を探すという方法もあります。また、水回りの問題を手軽に相談できる業者などもあるので、修理を依頼する前に相談してみるというのも良いですよ。
3 トイレの水量を調整するには?
トイレの水位が下がるのは、水の流し方が不十分という場合がよくあります。トイレの水が少ないことでトイレットペーパーが流しきれずに、排水管に引っかかってしまうのです。そこで重要になるのが、トイレの水量。これを適度に調節する必要があります。
3.1 タンクで水量が調節できる
トイレの水量はトイレタンクで調節します。水道代の節約で流行した「トイレタンクにペットボトルを入れる」という方法。トイレの水量を抑えることで水道代の節約につなげるというものですが、水量が減ったことでトイレットペーパーが流しきれなければ、意味がないですよね。要するに、トイレは適度な水量が必要と言えます。
トイレの水量を調節するときは、トイレタンクある浮き玉に「水位調節リング」と使います。こちらを調節することで、トイレの水量を調節することができるのです。また、水位調節リングがない場合は、浮き玉のほうを調節することで水量を変えられるようになっています。
さらに、トイレタンクにあるフロート弁につながっている「鎖」を調節することでも、トイレの水量を変えられます。フロート弁はトイレに流れる水を調節している部分で、トイレタンクの底にあります。これが持ち上がることで、トイレの水が流れる仕組みになっているのです。このような方法でトイレの水量を調節することで、トイレの水位が下がる原因を取り除ける場合もありますよ。
3.2 ウォシュレットにしてみる
トイレの水位が下がることを防ぐには、トイレットペーパーの量を減らすという対策も有効。トイレットペーパーの量を減らせば、トイレが詰まる確率を下げることもできるためです。
そこで試したいのが、ウォシュレットへの交換。トイレをウォシュレットにすれば、トイレットペーパーを使わなくても良いですし、使ったとしても量を減らせますよね。 トイレも古くなれば、トラブルが起こりやすくなります。トイレが詰まってから対処するよりも、早めに対処していたほうが慌てずに済むと言えるでしょう。
4 まとめ
トイレの水位が下がる原因と対処法、トイレの水量の調節について解説してきました。トイレに溜まっている水は封水と言いますが、様々な原因で下がったり上がったりするので注意しておきましょう。
また、トイレの水位が下がる原因が分からない状態で水を流すと、トイレが溢れてしまうこともあります。必ず原因をチェックしてから水を流すようにしてくださいね。