大雨が降るとトイレの水がボコボコ逆流する!流れずに溢れる時の対策
2019年3月25日 更新大雨が降ると、トイレがボコボコするということはありませんか。実は、トイレがボコボコするだけではなく、大雨のときにトイレが逆流したことがあるという人も少なくないのです。
そこで、大雨でトイレの水が流れなかったり、逆流したりするときの対策や対処法を紹介します。大雨のときにトイレのニオイや逆流に困っている場合には参考にしてください。
目次
1 大雨でトイレの水が逆流する理由とは?
大雨でトイレの水が逆流する理由は、下水道の方式と関係があります。そのため、まずは下水道の排除方式を理解することが重要です。
1.1 下水の排除方式は2つ
キッチンやトイレから出た生活排水は下水道に流れます。そして、下水道を使って生活排水などを都市部の外へ出すことを「排除」と一般的に呼ぶのです。
この下水を排除する方法は二通り。分流式と合流式があります。
方式 | 特徴 |
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分流式 |
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合流式 |
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分流式と合流式の大きな違いは1点。雨水と汚水が別々に流れるか、一緒に流れるかということです。
分流式の場合は、雨水は雨水だけが流れる排水管があって、トイレなどから出る汚水は汚水だけが流れる排水管があるのです。そのため、下水道が分流式であれば、どれだけ大雨が降ってもトイレの汚水が流れる下水道には影響がありません。降り注いだ雨水は雨水専用の排水管を流れて、公共用水域(河川など)に放流されてしまうのです。
一方で、合流式の場合、雨水と汚水は同じ排水管を流れています。大雨が降れば、その雨水もトイレから出た汚水が流れる排水管に流れ込むため、下水道は雨水で溢れることになるのです。つまり、合流式の下水道では、大雨のときに排水管の中が雨水で満たされてしまうため、トイレなどの汚水が流れにくくなってしまいます。
また、合流式の下水道では、大雨で排水管の中が満たされた場合、超過した分の流入水(雨水+汚水)を公共用水域に放流。雨水だけであれば汚染の心配はほぼないのですが、汚水も含まれるため、公共用水域の水質汚濁が問題となるのです。
1.2 大雨でトイレの水が逆流する理由と注意点
大雨でトイレの水が逆流する理由は単純。すでに解説したように下水道の仕組みを考えると、簡単に理解できます。
合流式の下水道の場合、大雨や局地的な豪雨があると、その雨水も汚水と同じ排水管に流れ込みます。すると、通常の降雨であれば処理できるはずの排水管も、大量の雨水によって限界を突破。溢れることになるのです。
下水道の中が雨水で満たされるということは、一時的に下水が詰まっているのと同じ状態になります。下水道の圧力が高くなれば、どこかが溢れるのですが、それが家庭の場合はトイレということなのです。
一般的な住宅では、キッチンや浴室よりもトイレのほうが下水道に近い場所にあります。要するに、感覚的により汚れた水が出る場所が公共の下水道に近い場所になっているということです。そのため、まるで詰まったかのような下水道から逆流した水は、公共の下水道に最も近いトイレから逆流を開始。トイレが溢れたあとは、浴室やキッチンでも逆流するおそれがあるのです。
これはあくまで合流式の下水道の話。そのため、分流式の下水道であれば、逆流しないと考えがちですよね。しかし、そうとは限らないのです。
分流式の下水道でも、トイレがボコボコしたり逆流したりすることがあります。ただし、特殊な事情がある場合の話です。例えば、お住まいの地域が分流式の下水道でも、自宅の汚水用の排水管が雨水用の排水管に接続されているとすれば、どうでしょうか?
家を建てるときのミスがあれば、排水管が反対になっているケースも十分に考えられます。そうすると、地域は分流式の下水道なので、トイレは逆流しません。しかし、雨水用の排水管が溢れたときに自宅だけはトイレが逆流したりボコボコしたりするということが起こり得るのです。このようなケースはまれですが、注意しておきたいポイントと言えますよ。
もしも大雨が降ったときにトイレがボコボコしたり、トイレから水が逆流したりすることがあれば、まずは地域の水道局のホームページなどで、下水道が合流式かどうかを確認。合流式であれば、トイレの逆流に注意しましょう。また、下水道が分流式であれば、自宅の排水管に問題がないかを調べましょう。お近くの専門業者に相談すると、排水設備に問題がないかなどを詳しく調べてもらえますよ。
2 大雨でトイレが流れずに溢れるときの対策
大雨でトイレが流れないと困りますよね。もしもトイレが逆流して溢れてしまうと、ニオイもありますし、本当に大変。そこで、トイレが流れないときや逆流するときの対処法を解説していきます。
2.1 簡単な対策は天候回復まで待つ
大雨でトイレが流れなかったり逆流したりする場合、根本的な対策はありません。特に下水道が合流式の場合、雨水の量の問題ですから対策しようがないのです。ただし、下水道が分流式なのにトイレが流れなかったり逆流したりする場合は排水管の問題なので、専門業者に排水管を正しくしてもらうと改善します。
さて、下水道が合流式でトイレが流れない場合、天候回復まで待つというのが一般的。天候が回復すれば、下水道が詰まったような状態も解消されるため、トイレが流れるようになるはずです。もちろん、雨量によっては時間がかかるかも知れないので、その点も考慮しておきましょう。
下水道は合流式から分流式へ移行しつつあります。次第に合流式の下水道は減っているため、やがて解消される可能性はあるのです。しかし、そこまで待つだけでは困りますよね。そこで、対策ではなくて、一時的な対処法を学んでおくと便利ですよ。
2.2 どうしてもトイレに行きたいときの対処法
入浴や洗濯などの家事は一時的にストップしておくことができますが、トイレはずっと我慢しておく訳にはいかないですよね。そこで根本的な対策ではないものの、一時しのぎとなる対処法を解説。
大雨のときの対処法 | 内容・方法・手順 |
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ビニールホースを使う |
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別のトイレを借りる |
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簡易トイレを使う |
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まず試したいのはビニールホースを使う対処法。大雨でトイレが流れにくいとき、トイレがボコボコするときなどに有効な対処法です。一時しのぎですが、意外と効果的です。多くの自治体がホームページなどで公開している対処法で、トイレが流れやすくなります。
また、ビニールホースを使う対処法が難しかった場合、別のトイレを借りる対処法が有効。自宅よりも高い場所にあるコンビニやスーパー、公共施設などのトイレを借りましょう。水は高い場所から低い場所に流れるため、トイレの水も流れやすいと言えるのです。ただし、大雨で外出できない場合は危険なので、別の対処法を試してください。
最後に、どうしても困った場合には簡易トイレを使うという対処法があります。災害時などに使う簡易トイレは、どこでも使えるので便利。大雨も自然災害と言えます。自宅のトイレが大雨でボコボコしたり逆流したりすることがあるのならば、簡易トイレを用意しておくことも大切ですよね。
トイレは天候回復まで待てないこともあります。自分でできる対処法や対策を日ごろから考えておくことが重要ですよ。
2.3 トイレの逆流を防ぐ方法や対策
大雨のときにトイレが流れにくいというくらいであれば、まだ良いほうです。トイレが逆流してしまうと、ニオイや後始末が大変ですよね。そこで、大雨でトイレがボコボコした場合、トイレが逆流しないように対策を講じるのが重要。
トイレの逆流を防ぐには「簡易水のう」を使う方法が良いですよ。簡易水のうであれば、自宅にある物で対処可能。大雨に気づいてから準備しても、十分に対処できます。
簡易水のうの作り方・設置場所 | |
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必要な物・用意する物 |
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作り方 |
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設置方法・設置場所 |
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ゴミ袋はどこの家庭にもありますよね。また、大雨でもほとんどの場合は水道が使えるはずなので、水も用意できるはずです。もしもヒモがなければ、袋の口を結んでもOK。空気をきちんと抜いておけば、十分に対処可能です。
また、簡易水のうは、すべての排水口に設置するのが望ましいと言えます。一つの排水口にだけ設置していなければ、そこから水が逆流する場合があるのです。十分に注意しておきましょう。
そして、大雨が止んだら、排水口の様子を確認してから水のうを退けます。そのときに、使った袋をトイレに流したり、排水口に流したりしないこと。当たり前のことですが、逆流を防ぐことができた安心感で流してしまう人がいるのです。こちらも要注意。
3 まとめ
大雨でトイレがボコボコしたり逆流したりするときの対策と対処法を解説してきました。大雨でトイレが流れない場合には無理をせずに天候回復まで待ちましょう。無理をすると、トイレが逆流してしまいます。また、トイレが逆流して困るときは、水のうを使って上手に逆流を防いでくださいね。