お風呂から水漏れ!お湯が減る原因や修理にかかる費用は?
2020年5月27日 更新お風呂の水漏れは早めに修理する必要があります。お湯が減ることが目に見えて分かるようになったときには、お風呂の水漏れは修理できなくなっていることも珍しくないからです。
そこで、お風呂が水漏れするときの故障の原因と修理について解説します。お風呂のお湯が減る原因はたくさんありますし、水漏れの原因ごとに修理費用も異なりますが、早めに修理することが大切になるのは間違いないですよ。
目次
1 お風呂から水漏れする原因と対処法は?
お風呂の水漏れは修理も大変ですが、水漏れを放置すると水道代も高くなってしまいますよね。そこで、お風呂が水漏れするときの原因と故障を修理してもらうまでの対処法から解説。
1.1 お風呂の水漏れの原因
お風呂の水漏れの原因は、次の3つが考えられます。
- 浴槽のひび割れ
- 浴槽の排水栓の故障/ゴム栓の劣化
- 給湯器や風呂釜と浴槽を接続している配管部分の故障
まずは、水漏れの原因となる場所を確認することから始めます。原因を確認する方法は、浴槽にお湯がある状態で「小さくて軽い物(スポンジなど)」を浮かべます。それがどこへ動いていくかで、原因となる場所が確認できるのです。水漏れしている場所が分かれば、その原因を予想することができますよ。
浴槽は「人工大理石(人造大理石)」や「FRP」という素材が一般的に流通していますが、低価格であることなどからFRPの浴槽が最も多く流通。このFRPの浴槽は10~20年で経年劣化によって「ひび」や「割れ」が起こりやすいとされています。ただし、FRPや人工大理石の浴槽はひび割れなどが生じても比較的補修しやすい素材です。もしもこれらの浴槽のひび割れなどが水漏れの原因になっている場合は、速やかに修理してください。
また、浴槽が「ステンレス」の場合は注意が必要。水漏れの原因となるくらいの損傷が浴槽にある場合、浴槽に「剥がれ」が見られることもあります。剥がれた場所が鋭利になってしまうため、速やかに修理しましょう。
ホーローの浴槽は汚れが付着しにくいうえにカビなども繁殖しにくいとされています。一方で、表面のガラス質は経年劣化によって剥がれが生じることがあり、剥がれが生じた部分からさびることがあるのです。早めに修理を行えば補修できることもありますが、交換になることが一般的。ホーローの浴槽で水漏れがある場合には、原因に関係なく交換すると考えておくほうが良いでしょう。
お風呂の水漏れの原因で最も多いのが排水栓の問題。排水口がゴム栓の場合はゴムの経年劣化が原因ですから、新しいゴム栓に交換するだけで簡単に水漏れは解消します。一方で、ワンプッシュ排水栓の場合は、排水口にゴミや汚れが溜まっていたり排水栓に異常があったりして、詳しい原因の特定が難しいこともあるのです。困ったときは、修理を依頼するようにしてください。
排水栓を確認する手順 | 内容・注意点 |
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1. 排水栓の確認 |
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2. 排水栓のチェック |
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3. 排水口のチェック |
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4. 部品のチェック |
<ヘアキャッチャーなどの部品がある場合>
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5. 再確認 |
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給湯器や風呂釜と浴槽をつなぐ配管部分が故障している場合、お風呂の水漏れは、水位が「給排水口(浴槽にある穴)」の高さになれば止まります。そのため、給湯器につながる配管部分が原因ということが分かりやすいでしょう。また、浴槽に浮かべていたオモチャなどが給排水口へ移動したことで、早い段階で水漏れに気づく人もいますよ。
給湯器や風呂釜と浴槽をつなぐ配管部分の水漏れが原因の場合は、自分で修理するのは不可能。必ず専門業者に修理を依頼しましょう。速やかに修理しなければ、マンションなどは階下へ水漏れすることもありますし、戸建て住宅では床下を傷めてしまうおそれがあります。すぐに修理を依頼してください。
また、蛇口やシャワー、給湯器の本体なども経年劣化によって水漏れが起こりやすい場所です。近年の浴室はユニットバスということが多くなっています。一ヶ所で経年劣化が原因の水漏れがあれば、ほかの場所も同じように経年劣化を起こしていると考えておくほうが良いでしょう。お風呂のお湯が減るようになった場合は、浴室全体の水漏れもチェックすることも重要ですよ。
1.2 お風呂の水漏れでお湯が減るときの対処法
水漏れが原因でお風呂のお湯が減るとき、修理を依頼してもすぐに修理してもらえるとは限りません。部品が入荷するまでは修理できませんし、即日に対応してもらえるとは限りませんよね。そこで、お風呂が水漏れでお湯が減るときの対処法を解説。
浴槽のひび割れなどが原因で水漏れしている場合、最も簡単な対処法は「防水テープ」を貼ることです。水漏れへの対処としては一時しのぎですが、業者に修理してもらうまでの間に合わせと思えば、防水テープでも十分。取りあえずは水漏れの原因となっている場所に防水テープを貼って、業者の修理を待ちましょう。
また、浴槽の素材が紹介したFRPなどと分かれば、その素材に対応した補修キットなどを使っても良いでしょう。防水テープを貼るだけよりは強度も増しますし、水漏れに対する安心感もある対処法と言えます。補修キットの代わりに接着剤を使っても良いですが、補修キットのほうが使いやすくて便利ですよ。
排水栓が水漏れの原因ときは、ビニール袋やラップを排水栓に巻いたり排水栓の代用にしたりする対処法がおすすめです。長期間使用すると排水管を詰まらせるおそれがありますが、短期間ならOK。また、排水栓がゴム栓の場合は同じ物をホームセンターや通販でも購入できます。対処法を考えるよりも、ゴム栓を持ってホームセンターなどへ行くほうが早いですよ。
給湯器や風呂釜の配管が水漏れの原因の場合は、特別な対処法がありません。できるだけ早く修理してもらえるように頼むしかないでしょう。自分で修理するのだけはやめましょう。
2 お風呂のお湯が減る故障の修理費用はいくら?
お風呂のお湯が減る故障を修理する場合、修理費用が高いのであれば、交換したほうが良いと考える人もいますよね。そこで、それぞれの原因について、修理した場合の費用と主な修理工事の流れを解説していきます。
2.1 お風呂のお湯が減る故障の修理費用は?
お風呂のお湯が減る故障の修理費用は、次のようになっています。
水漏れの原因 | 修理費用 |
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排水栓 |
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給湯器や風呂釜 |
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浴槽 |
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排水栓から水漏れが起きる故障が生じた場合、ゴム栓はホームセンターなどで購入できます。ゴム栓の購入費用も鎖がついていない物であれば500円以下。鎖がついている浴槽用のゴム栓なら1,000円以下で購入できるのです。また、キャップなどを使ってサイズを変えられる万能タイプのゴム栓でも1,000~2,000円で購入できます。ですから、ゴム栓が原因の水漏れに関する修理費用は、どんなに高くなっても「2,000円以下」と考えておくと良いですよ。
一方で、ワンプッシュ排水栓の場合、交換する部品代や工事する人の出張費、技術料などが必要。技術料などはメーカーによっても異なりますが、およそ1~2万円で修理できます。そのため、ワンプッシュ排水栓の故障で水漏れが起きた場合は、高くても「1~2万円程度」で修理できると考えてください。
給湯器や風呂釜の配管部分から水漏れしている場合、給湯器や風呂釜の故障の状況によって修理費用は異なります。配管の補修だけで良い場合は比較的安く済みますが、水漏れによって制御系の不具合まで起こっていれば、修理費用が高額となることもあるので注意してください。
例えば、同じ水漏れの修理でも、配管のパッキン交換だけで済めば修理費用は6,000円程度が相場。しかし、制御系の故障や各種弁の故障もあれば、修理費用が1~3万円ということもあります。そのため、給湯器の修理費用は1万円以上かかることがあると考えておくほうが良いでしょう。
また、比較的安いガス給湯器であれば4、5万円から交換できますし、電気温水器でも14万円くらいから交換可能。もちろん、給湯器のメーカーや機種によっても価格は異なりますが、あまりにも修理費用が高くなった場合は交換を検討するほうが良いでしょう。給湯器の水漏れは経年劣化が原因というケースがほとんどと言えます。一部が経年劣化しているということは、給湯器の寿命である10年が経過しているということも少なくないのです。そのため、給湯器から水漏れがある場合は交換を検討するほうが安心ですよ。
浴槽のひび割れなどが原因で水漏れしている場合、交換または補修という修理方法を選ぶ必要があります。特に浴槽の素材によっては高価な物もあるため、10年未満しか使っていないような浴槽は補修して使うほうが良いかも知れません。
また、多くの浴槽の素材であるFRPの場合は「ライニング工法」という方法で補修します。ライニング工法でひびや割れがある場所を補修した場合は「4、5万円~」というのが相場。ただし、補修部分が目立たないようにするために全体的に塗装・コーティングすることが多いため、修理費用は置き型の浴槽で10~15万円、ユニットバスの浴槽で15~20万円くらいは必要になると考えておきましょう。
そのほか、人工大理石の浴槽もライニング工法で補修できる場合がありますし、ステンレスの浴槽なども現状の塗膜を剥がしたあとで再生塗装することで補修可能です。こちらはFRPの浴槽の修理費用と比較すると数千円~数万円アップとなる業者が多め。修理する業者によって価格は異なるため、見積もりを取っておきましょう。
水漏れがひどい場合などに浴槽を交換するときは、次の本体価格を参考にしてください。
浴槽の素材 | 浴槽の本体価格 |
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FRP | 5~35万円 |
人工大理石 | 10~120万円 |
ステンレス | 10~25万円 |
ホーロー | 15~135万円 |
浴槽を交換する場合、浴槽の撤去処分費、取り付け工事費などが別途必要になることがあります。工事費が安い場合には数万円ということもありますが、ユニットバスで床が一体型になっている場合などは高額になることがあるので要注意。浴槽の交換工事の費用は、基本的に10万円程度を相場として考えておくと良いとされています。
2.2 お風呂の故障を修理するときの工事の流れ
一般的な修理工事の流れは、次のようになっています。
修理工事の流れ | 内容 |
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1. 業者やメーカーに連絡する |
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2. 修理内容を話す |
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3. 見積もりに来てもらう |
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4. 実際に修理・交換作業をする |
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5. 支払をする |
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まれに工事の途中で追加工事などが発生します。見積もりの際にほとんどの工事内容と修理費用を提示されるのが一般的ですが、外部から見えない場所などの工事が追加になることもあるため、注意しておきましょう。また、追加工事になった場合にもめることがないように、見積もりのときに追加工事の有無や追加の費用について確認しておくことも大切です。
また、ライニング工法で浴槽を修理する場合の流れは、次のようになっています。
- ひびなどの補修する部分の下地処理を行う
- ガラスマットなどにポリエステル樹脂などを含ませて層を作っていく
- 積層した部分の表面を研磨する
- 表面を平らにする
- 塗料を使って再生塗装を行う
主な修理工事の流れはこのようになっています。簡単に説明すると、ガラス繊維の補強材を層になるように積み重ねていき、最終的に表面をキレイにしてから塗装をして完成というような流れ。丁寧な作業でキレイになりますが、技術も必要ですし、費用も高くなりやすい修理工事です。高額になる場合は必ず交換を検討しましょう。
3 まとめ
お風呂のお湯が減る原因や修理費用について解説しました。お風呂のお湯が減るような水漏れは浴槽や排水栓などの劣化が原因です。排水栓は交換すれば良いですが、浴槽や給湯器、風呂釜などは修理費用も交換費用も高いので、よく考えて水漏れの場所を修理するか、交換するかを決めましょう。