太陽光発電の買取制度は儲かる?買取価格や期間、全量と余剰って?
2018年8月28日 更新太陽光発電を導入することで利用できる制度として、「固定価格買取制度」が挙げられます。 固定価格買取制度は、太陽光発電などの再生可能エネルギーで発電した電気を電力会社が一定の期間、一定価格で買い取ることを国が約束する制度です。一度決められた買取価格や買取期間は原則的に変更されません。なお、買取期間が終了した後は、上記の価格規制はなくなり、発電事業者と電気事業者との合意により買取価格を決めていただくことになります。
太陽光発電の設置容量(出力)の大きさによって太陽光発電は2種類に分けられ、買取制度が異なります。このページでは、太陽光発電の種類、買取制度の順にご紹介します。
目次
太陽光発電のの住宅用と産業用の違い
設置容量が10kW未満の太陽光発電を「住宅用」、10kW以上の太陽光発電を「産業用」といいます。これらは設置容量の違いのみで呼び分けられ、 個人住宅で10kW以上の太陽光発電を導入した場合でも「産業用」とみなされます。これに基づき、住宅用の場合は余剰買取、産業用の場合は余剰買取あるいは全量買取が適用されます。
住宅用
(設置容量が10kW未満) |
余剰買取 |
---|---|
産業用
(設置容量が10kW以上) |
余剰買取 |
全量買取 |
住宅用の太陽光発電とダブル発電の買い取り価格
住宅用をお使いの場合は余剰買取が適用されます。余剰買取では、自分が使う電気を発電した電気でまかない、余った電気があれば電力会社が買い取ってくれます。
ダブル発電とは、太陽光発電に加えてエネファーム、エコウィル、蓄電池などを併設することをいい、これらが太陽光発電の電気の供給量に影響を与えている場合はダブル発電の買取価格が適用されます。エネファーム、エコウィル、蓄電池などを併設していても、配線図などで太陽光発電の電気の供給量に影響を与えていないことが客観的に示せる場合は太陽光発電のみの買取価格が適用されます。
また、出力制御対応機器設置義務の有無によっても異なります。北海道電力、東北電力、北陸電力、中国電力、四国電力、九州電力、沖縄電力の需給制御に係る区域においては出力制御対応機器の設置が義務付けられています。東京電力、中部電力、関西電力では、出力制御対応機器の設置は義務付けられていませんが、出力が50kW以上の太陽光発電の場合はどの地域の場合でも出力制御の対象となります。
平成28年度の買取価格、買取期間は以下の表の通りです。
発電の種類 | 太陽光発電のみ | ダブル発電 | ||
---|---|---|---|---|
出力制御対応機器設置義務 | なし | あり | なし | あり |
買取価格
(1kWhあたり) |
31円 | 33円 | 25円 | 27円 |
買取期間 | 10年間 |
ダブル発電の買取価格が太陽光発電のみの場合と比べて安く設定されているのは、エネファームやエコウィルで発電することで実質的に増える売る電気が再生可能エネルギーによるものではないからです。これは導入コストの高い再生可能エネルギーの普及を進めるという固定価格買取制度の趣旨からは外れるため、ダブル発電の買取価格は太陽光発電のみの場合より下げられているのです。
産業用の余剰買取と全量買取価格
産業用をお使いの場合は 余剰買取あるいは 全量買取のどちらかを選ぶことができます。
1. 余剰買取
住宅用の場合と同様に、余剰買取では、自分が使う電気を発電した電気でまかない、余った電気があれば電力会社が買い取ってくれます。設置容量が10kW未満の場合とは異なり、発電の種類や出力制御対応機器設置義務の有無に関わらず買取価格は 1kWhあたり24円+税で一律です。平成28年度の買取価格、買取期間は以下の表の通りです。
買取価格(1kWhあたり) | 24円+税 |
---|---|
買取期間 | 20年間 |
2. 全量買取
全量買取では、自分が使う電気は電力会社から買った電気でまかない、太陽光発電で作った電気はすべて電力会社が買い取ってくれます。全量買取の買取価格は 1kWhあたり24円+税で一律です。平成28年度の買取価格、買取期間は以下の表の通りです。
買取価格(1kWhあたり) | 24円+税 |
---|---|
買取期間 | 20年間 |
このように、産業用をお使いの場合は余剰買取か全量買取のどちらかを選ぶことができますが、電力会社から買う電気の料金が 1kWhあたり24円よりも安い場合は全量買取の方がお得といえます。産業用太陽光発電をご利用の場合はご自身に合った買取制度をお選びください。