太陽光発電のおすすめメーカーは?価格・性能を徹底比較!
2020年7月9日 更新太陽光発電システムを導入しよう!と決心したものの、どのように選べば良いのか悩んでいる方は多いのではないでしょうか。太陽光発電システムにもさまざまな種類がありますし、販売しているメーカーも多く、国内だけでも大手メーカーから聞いたこともないメーカーも。最近では海外メーカーの製品も販売されていて、どれを選んでいいのか迷ってしまいますね。
光熱費が削減でき、さらに余った電力は売電して臨時収入にもなる、家計にも環境にも優しい太陽光発電はとても魅力的です。太陽光発電を選ぶヒントとして、今回はメーカーごとに価格や性能・デザイン性の違いを比較。おすすめメーカーを紹介します。導入時の参考にしてみてください。
目次
1 太陽光発電システムの選び方
太陽光発電の導入に当たり、押さえておくべき点は3つ。それは、「性能」「価格」「デザイン性」です。たとえば、「せっかく太陽光発電を導入するのだから、光熱費削減のほかにも電気を売って得る売電収入もほしい!」。このような目的で太陽光発電の導入を考えているのであれば、性能を重視して選ぶ必要があります。「とにかく設置費用を安く、お得に導入してみたい」あなたは、価格重視で選ぶことになるでしょう。
また、都心の住宅は狭い土地に建つ家が多く、屋根も小さめ。そうなると、太陽光発電システムを置くスペースも狭くなります。その場合、小さい屋根にも置けるデザインのパネルを選ぶ必要があります。このように、太陽光発電に対する目的は人それぞれです。まずは、あなたが太陽光発電を導入する目的や、譲れない重点ポイントをしっかり決めておくと探しやすいでしょう。
太陽光発電システムを選ぶ上でのポイントが決まったら、次はメーカー選びです。なぜメーカーから選ぶかというと、太陽光発電システムは他の電化製品よりも、メーカーごとに特徴の違いが顕著に現れる製品だから。価格を重視しコストカットに力を入れているメーカーや、発電能力の高さを売りにしているメーカーなど、メーカーによって得意分野が違います。そのため、メーカーごとの特徴にも、差が色濃く表れてくるのです。あなたに合った太陽光発電システムを選ぶには、メーカー選びはとても重要です。
2 メーカーごとの特徴
自分に合ったメーカーを選ぶには、そのメーカーの特徴を知る必要があります。ここでは、主要な国内メーカーと海外メーカーの特徴をまとめてみました。
2.1 国内メーカー
- パナソニック
パナソニックの特徴は、太陽光パネル「HIT」。HITとは、アモルファスシリコンと単結晶シリコンを組み合わせたパネルのこと。このパネルは熱に強く、気温の高い地域や夏の炎天下のもとでも、安定した発電が可能です。他にも、雨や曇りで日差しが弱い日でも発電できるパネルを開発。パナソニックは、天候に左右されない製品を多く作っています。また、補償が充実しているのも魅力の1つ。出力保証とシステム機器保証25年が無償。太陽光発電は長く使用する製品なので、補償が充実しているのは有難いですね。
- シャープ
2007年から、7年連続で世界シェア第1位の実績を持つシャープ。シャープの特徴は製品ラインナップが豊富なところです。積雪地域用は雪が滑りやすい仕様の製品。沿岸地域なら塩害に強いパネル。台風の被害が多い地域には風圧に強いものなど、環境にあわせたパネル選びが可能。また、アフターケアも素晴らしく、発電量を監視する「Webモニタリングサービス」は、毎日発電量をチェックし異常があったらすぐに対応してくれます。自分ではチェックしきれない異常を見つけてくれる、頼もしいサービスですね。
- 東芝
東芝の特徴は、なんといっても発電効率が世界一であること。「バックコンタクト方式」を採用し、太陽光を遮るものをできるだけ少なくして発電効率を向上。また、反射防止膜などを積極的に採用して、さらなる発電効率アップを図っています。そのため、東芝の発電効率は20%を超える製品も。狭い面積に設置を検討している方や、売電収入を目的としている方におすすめです。これだけ高性能なのに、設置費用が比較的安価なのも魅力。補償も出力保証25年と長期補償が用意されています。
- 三菱電機
国内生産にこだわり続ける三菱電機。三菱電機のイチオシは、複雑な形でも置ける「マルチルーフシリーズ」。日本の複雑な屋根に対応可能なだけでなく、発電効率も高く高性能な製品です。都心の家屋は屋根の形が複雑。さらに設置面積が広く取れない事が多いでしょう。このような条件の場合、狭い面積でも多くの発電量が期待できる、発電効率が高いパネルがおすすめです。また、三菱電機の製品には、停電しても最大2700Wの電力を使用できる、大容量のパワーコンディショナーが搭載されているのも魅力の1つ。他メーカーは1500Wほどなので、安心感が違いますね。
- 京セラ
京セラは、日本で初めて住宅用太陽光発電システムを販売したメーカー。国内トップクラスのシェアを誇ります。京セラの魅力はアフターサービス。出力保証やシステム機器保証はもちろん、京セラは自然災害補償も無償で付いてきます。自然災害補償が付くのは大手メーカーの中で京セラだけ。太陽光発電は長く使い続ける製品なので、補償が充実しているメーカーを選ぶと安心です。
- ソーラーフロンティア
あまり聞きなれないメーカーですが、あの昭和シェル石油が元となっている企業です。ソーラーフロンティアの特徴は、CIS太陽光パネル。CIS太陽光パネルは、低コストで生産が可能なパネルです。また、低コストなだけではなく発電量も多いので、ソーラーフロンティアの製品は、高性能で低価格を実現しています。国内メーカーの中では安い費用で導入できるので、「設置費用を抑えたいけど、海外メーカーは不安…」そんな方におすすめのメーカーです。
2.2 海外メーカー
- トリナソーラー
中国のメーカー。低コストに力を入れている企業です。しかし、安くても性能は劣りません。製造・販売までを自社で行うことで、低価格を実現。研究開発も自社で行い、変換効率は約17~19%と高性能な製品を作っています。設置費用を抑えたいけど性能にもこだわりたい、そんな方におすすめです。
- カナディアンソーラー
カナダのメーカー。お国柄、豪雪地帯の太陽光発電を得意としています。中国で生産しているため価格が安く、設置費用を抑えたい方におすすめ。そして、もう1つのおすすめポイントが充実した補償です。海外メーカーは「自宅の近くに店舗がなくて不安」と思う方もいるでしょう。しかし、カナディアンソーラーは、日本にもサービス拠点を持っています。何かあったとき、すぐに相談できるのは安心ですね。
- ハンファQセルズ
ハンファQセルズは、ドイツのメーカーを韓国メーカーが買収し設立したメーカー。日本での出荷量1位を記録している、人気急上昇中のメーカーです。ハンファQセルズの魅力は、日射量の低い場所や夏場の高温に強いパネル。さまざまな環境に対応できる製品を作っています。また、補償が充実していて、出力保証・システム保証はもちろん、自然災害補償に日照補償と、業界の中では1番手厚い保証を受けることができるメーカーです。海外のメーカーでも、ここまで補償が付いていると安心できますね。
3 性能を重視したメーカーの選び方
せっかく太陽光発電を導入するのなら、性能が良く多くの電気を作れる製品を選びたいですよね。ところで、太陽光発電システムの「性能」とは、どこで確認できるのでしょうか?
3.1 性能は「変換効率」を確認しよう
太陽光発電システムの性能は、「変換効率」で見ることができます。変換効率とは、太陽光をどれくらい電気に変えることができるかの割合を示したもの。つまり、変換効率が高いほど、多くの電気を作り出すことができる製品なのです。たくさん発電して売電収入を得たい方は、変換効率の高い製品を選ぶといいでしょう。
では、実際に、あなたの自宅ではどのくらいの変換効率があれば、希望の電力を作ることができるのでしょうか?それは、太陽光発電システムを設置できる面積に大きく影響を受けます。たとえば、設置面積が狭い場合は、変換効率が高くないと発電量が少なくなってしまいます。そうなってしまうと、せっかく太陽光発電を導入しても、損をしてしまう可能性もあるのです。まず、どの程度の面積に設置するのかを検討し、必要な変換効率を選びましょう。
3.2 性能重視のおすすめメーカーを紹介
変換効率が高く発電量が多いパネルメーカーといえば、東芝です。東芝製品の変換効率は20%を超えています。この数字は他のメーカーと比べても群を抜いて高く、その性能は世界一です。続いておすすめなのは、パナソニック。東芝についで変換効率が高く、高性能な製品が豊富。また、パナソニックのパネルは熱に強く、夏の強い日差しの中でも安定して発電が可能です。
海外メーカーでは、カナディアンソーラーとハンファQセルズがおすすめ。性能は東芝には劣りますが、低価格なので初期費用が抑えられます。初期費用を抑えることで、回収期間(元を取る期間)が短くなり、お得に太陽光発電を導入できるのです。変換効率で見ると、海外メーカーより国内メーカーの方が性能が良い傾向にあります。品質にもこだわりたい方は、国内メーカーを選ぶと間違いないでしょう。
4 価格を重視したメーカーの選び方
光熱費削減に効果があったり、売電することができたりと、太陽光発電はとてもお得なイメージ。しかし、導入にかかる初期費用は高く、決して安い買い物ではありません。最初にきちんと予算を組み、計画性をもって導入することが大切です。
4.1 価格は「kw単価」で確認しよう
太陽光発電システムの価格を比較する時に、注目すべきは「kw単価」。kw単価とは、「1kwあたりの価格」を表しています。つまり、この数字を見ればお買い得度がわかるのです。kw単価は、支払い総額÷パネルのkw数(発電量)で計算します。
ちなみに、経済産業省が算出した日本全国の太陽光発電の相場価格は、1kwあたり29万円。太陽光発電はいわゆるオーダーメイドの製品なので、設置条件や製品のグレードにより価格は変動します。しかし、あまりにかけ離れた見積もりを提示されたら注意しましょう。見積もりは複数の業者から取り、比較検討することをおすすめします。
4.2 価格重視のおすすめメーカーを紹介
設置費用を安く抑えたい方におすすめなのは、ソーラーフロンティア。ソーラーフロンティアは、低価格なCIS太陽電池を採用しているメーカーです。CIS太陽電池は低コストで生産できるパネルですが、実際の発電量も多く高性能です。国内メーカーなので安心感もあるので、価格は抑えたいけど海外メーカーは抵抗があるという方におすすめです。
コスパを重視する場合は、海外メーカーの製品を選ぶことも選択肢の1つ。たとえば、中国のメーカーはコストカットに力を入れている企業が多くあります。その中でも、トリナソーラーやインリーソーラーがおすすめ。中国製品は性能が劣るというイメージがあるかもしれません。しかし、国内メーカーに負けずとも劣らない、高性能な製品が揃っています。設置費用は抑えたいけど、性能も妥協したくない方は検討してみてはいかがでしょうか。
5 デザイン性を重視したメーカーの選び方
太陽光発電システムは屋根に設置するもの。屋根は多くの人の目にさらされる、いわば家の「顔」です。せっかく太陽光パネルを設置するのですから、見た目にもこだわりたいものです。屋根には、切妻・寄棟・片流れなど、様々な形状があります。屋根の形状に合ったパネルを作っているメーカーを選べば、見栄えよく仕上げることができます。
太陽光パネルといえば、紺色でいかにもパネルっぽいシルバーの枠が施されているものが思い浮かびます。しかし、最近では、見た目がスマートな黒色のパネルなど、デザイン性重視の製品も出てきています。屋根は家の顔になる部分。あなたの好みにあった素敵なパネルを選びましょう。
5.1 デザイン性重視のおすすめメーカーを紹介
寄棟屋根などの複雑な屋根におすすめなのは、三菱電機「マルチルーフシリーズ」や京セラ「エコノルーツシリーズ」です。日本は複雑な形の屋根が多いので、国内メーカーからは台形や三角形など、さまざまな形状のパネルが販売されています。自宅が複雑な屋根の形をしている方は、国内メーカーの中から選ぶといいでしょう。
また、デザイン性を重視した黒や青色のパネルは、シャープや東芝、三菱電機などの大手国内メーカーから販売されています。中には、フレームや電極の灰色部分も全てブラックで統一した、美しいパネルを製造しているメーカーも。国内メーカーでは、ソーラーフロンティア。海外ではハンファQセルズからブラックフレームのパネルが販売されています。見た目の美しさにこだわりたい方は、検討してみてはいかがでしょうか。
6 まとめ
太陽光発電システムは、性能や価格など、メーカーによって違いが大きく表れていました。性能でいえば、海外メーカーより国内の大手メーカーが強く、東芝はなんと世界一!日本の技術力の高さがうかがえますね。
しかしながら、海外メーカーも負けていません。日本での実績も多く信頼できるメーカーならば、低コストの海外メーカーを選ぶのも選択肢の1つではないでしょうか。あなたに合ったメーカーを見つけて、満足のいく太陽光発電システムを選びましょう。