災害時のライフラインになる?家庭用蓄電池を導入するメリット・デメリットとは?
2021年5月25日 更新蓄電池とは、その名のとおり、電気を蓄えるもののこと。スマートフォンやデジタルカメラ、iPodなど、様々なものに利用されており、私たちの日常には蓄電池が溢れています。このようにどこにでもある蓄電池ですが、「家庭用蓄電池」というものが存在することをご存知でしょうか?実はこの「家庭用蓄電池」、とっても便利で経済的なものなのです。ここでは、家庭用蓄電池が私たちにもたらしてくれるメリット・デメリットやおすすめ商品などをご紹介いたします。
目次
1 家庭用の蓄電池を導入するメリット・デメリットは?
まず、家庭用蓄電池を導入するメリット・デメリットについて紹介します。まずはメリットからです。
1.1 家庭用の蓄電池を導入するメリット
防災対策に力を発揮することは、蓄電池の最大の魅力とも言えます。近頃はオール電化のご家庭も多く、急な災害で停電してしまったときに、電化製品が使えないととても困ってしまいますよね。蓄電池なら、あらかじめ蓄えておいた電気を利用することで、停電時にも電化製品を使うことが出来るのです。
もちろん、すべての電化製品を使うことができるというわけではありません。蓄電池の購入段階から「いざというときに絶対に必要な電化製品」を選んでおいて、停電のときに使えるように、工事の段階で配線を工夫しておくことが必要です。ご家庭ごとに様々ではありますが、災害時に必要となる電化製品としては、一般的に、食料を保存する冷蔵庫、家族が寄り添う リビングの照明、外部連絡ツールである 携帯電話を充電するためのコンセントが挙げられます。
大手電機メーカーが販売している蓄電池の容量は、4000Whから7000Wh。満充電の状態なら、冷蔵庫やリビングの照明を利用し、そして毎日携帯電話の充電を行ったとしても、3日から5日程度は電気を使用することが出来るのです。
さらに、合わせて太陽光発電をお使いであれば、もっと安全性を確保出来ます。太陽光発電を設置されていなければ、5日経っても電気が復旧しなかった場合、電化製品を使うことが出来なくなってしまいます。その点太陽光発電なら、晴れていれば自立運転し、電気を作ってくれるのです。太陽光発電で作った電気を用いて蓄電池を充電すれば、停電が長期に及んだとしても、電気が全く無い生活に陥らずに済みます。
1.2 家庭用の蓄電池を導入するデメリット
まず、価格が高額です。メーカーや容量にもよりますが、1台あたり300万円~400万円かかります。乗用車1台分相当と考えるとかなり高額です。
また、蓄電池は製品により寸法サイズは様々ですが、設置スペースの確保が必要です。直射日光が当たらない風通しの良い場所など、設置場所にも制約があります。
さらに、蓄電池には寿命があります。蓄電池の充電回数にはおおよその上限があり、製品ごとに異なります。例えば、京セラEGS-LM1201の寿命は6000サイクルとなります。1日1サイクル使用した場合の寿命年数は16年です。メーカー保証は10年となっているので、蓄電池が10年超となった場合は、充電容量の低下、バッテリー以外の部品の経年劣化などで故障する可能性が出てきます。
最後に、太陽光パネルと蓄電池の設置は、集合住宅ではほぼできません。賃貸で大家さん等の許可が下りれば設置できる可能性はありますが、分譲マンションは管理規約で厳しく制限されており、太陽光パネルや蓄電池の設置自体が難しいのが現状です。
2 売電制度の価格や太陽光発電との関係
蓄電池の魅力2つ目は、その経済性。蓄電池を上手に使えば、電気代を大幅に抑えることができます。蓄電池の上手な使い方の一例としては、夜間電力をうまく利用する、という方法があります。
深夜電力は価格が安く、昼間の電力は価格が割高になる、という仕組みは、電気料金を考える上で知っておきたい仕組みのひとつ。蓄電池を使えば、この仕組みを利用して、光熱費をさらに安く済ませることが出来るのです。
電気料金が割安な夜間には、深夜電力を購入して蓄電池に蓄えておき、昼間は、夜間に蓄えた電気を使用する。こうすることによって、割高な昼間の電気を購入する必要がなくなるので、光熱費の負担を減らすことができます。上記の方法で電気を使えば、電気を完全に購入した場合よりも1ヶ月で約3,000円お得。1年では、約36,000円もお得になるのです!
また、地域にもよりますが、蓄電池を導入すれば、国や都道府県から補助金をもらうことが出来ます。光熱費が安くなるだけでなく、補助金までもらうことが出来る。蓄電池の導入にかかるコストを考えても、長い目で見れば、導入したほうがずっとお得なのです。
さらにさらに、それだけではありません。太陽光発電も合わせてお使いであれば、「売電制度」を利用することが出来ます。晴れている日にはたくさん発電し、余剰電力を売電する。夜間には割安な深夜電力を購入して蓄電池に蓄え、天気の悪い日には夜間に蓄えておいた電気を利用するのです。
こうすれば、昼間に買う電力はほとんどゼロ。さらに光熱費を下げることが出来る上、売電制度で収入も入ります。太陽光発電と合わせて使うことによって電力自給率も上がり、環境にもやさしいのです。
ちなみに、蓄電池や太陽光発電を利用して、家庭内のエネルギー消費が最適に制御された住宅をスマートハウスと呼びます。スマートハウスについて詳しいことが知りたい方は、こちらをご覧ください。
3 家庭用蓄電池+太陽光発電のおすすめメーカー
ここからは、家庭用蓄電池のおすすめメーカーを紹介します。また蓄電池は太陽光発電を合わせて使用するケースが殆どです。
3.1 パナソニック
パナソニック製品は、創蓄連携システムにより太陽光発電と蓄電池を上手に連携させるので、より効率よく電気を活用できるシステムになっています。太陽光発電と蓄電池、2つのパワーコンディショナを一体化し、電気を効率よく活用します。また、太陽光発電の電気を蓄電池に直接充電することで、交流への変換ロスが少なく、発電した電気を効率よく使えます。さらに、晴れている昼間は太陽光でたっぷり電気を創り、発電した電気を利用、そして余った電気は売電できます。また、蓄電システムがあると蓄えた電気を普段使いに利用でき、電気代の節約ができます。この2つが連携することで、太陽光が発電しない曇った日や雨の日でも蓄電池に蓄えた電気を使うことができ、電気代の節約効果があるのです。
3.1.1 パナソニックのおすすめ商品
蓄電池が選べる、増やせる業界最多のバリエーション、創畜連携システムS+を紹介します。
○暮らしや設備に合わせて選べる多彩なバリエーション
リチウム蓄電池ユニット(3.5kWh:屋内)/(5.6kWh:屋内・屋側)をフレキシブルに組み合わせることで3.5kWh~33.6kWhまで最適な容量を選べます。
○スリムなデザインでコンパクトな、小容量リチウムイオン蓄電池ユニット(3.5kWh)
従来より奥行約40%削減のスリムデザインとなっています。小容量でも停電時に、冷蔵庫や照明器具を使用しながら、炊飯器や電気ケトルなどの電化製品も使える2KVAを実現しています。
○パワーステーションS+を複数設置することで、もっと安心の大容量
蓄電システムを組み合わせることで、蓄電容量最大33.6kWhを実現しているので、停電時でも日常と変わらず生活できます。
○パワーステーション本体は、コンパクトで設置自由度が拡大
コンパクトな屋外壁掛け型により、さまざまな場所に短期間での施工が可能です。機器を2階に設置することもでき、浸水などの被害に遭う心配もなくなります。
太陽光発電・蓄電システム:〔住宅用〕創畜システムS+ | ||
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主な機能 |
AiSEG2と連携し、家のエネルギーをかしこくマネジメントします
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創畜連携システムS+システム価格(屋内設置) | ||
蓄電容量 | 構成部材 | 価格(税込) |
3.5kWh |
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1,837,000円 |
5.6kWh |
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2,310,000円 |
7.0kWh |
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2,992,000円 |
9.1kWh |
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3,465,000円 |
11.2kWh |
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3,938,000円 |
パワーステーション、蓄電池用コンバータ、蓄電池ユニットの概要です。
パワーステーションS+(本体) 一般使用 | |
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品番 | LJRC41 |
外形寸法 | 幅706×高さ407×奥行214mm(壁取付け板含む場合、奥行216mm) |
質量 | 約26kg(壁取付け板・ガード含む場合30kg) |
希望小売価格 | 605,000円(税込) |
蓄電池用コンバータ(一般仕様) | |||
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仕様 | 3.5kWh屋内蓄電池用 | 5.6kWh屋内蓄電池用 | 5.6kWh屋側蓄電池用 |
品番 | LJDB151 | LJDB201 | LJDC201 |
外形寸法 | 幅520×高さ407×奥行214mm(壁取付け板含む場合、奥行216mm) | ||
質量 | 約13kg(壁取付け板・保護ガード含む場合16kg) | ||
希望小売価格 | 275,000円 |
蓄電池ユニット | |||
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仕様 | リチウムイオン蓄電池ユニット(3.5kWh・屋内) | リチウムイオン蓄電池ユニット(5.6kWh・屋内) | リチウムイオン蓄電池ユニット(5.6kWh・屋側) |
品番 | LJB1235 | LJB1256 | LJB2256 |
外形寸法 | 幅480×高さ660×奥行139.2mm | 幅480×高さ610×奥行230mm | 幅619×高さ682×奥行280mm |
質量 | 約46kg | 約68kg | 約90kg |
希望小売価格 | 880,000円 | 1,353,000円 | 1,540,000円 |
3.2 京セラ
京セラは、太陽光発電の分野で老舗的な企業ですが、家庭用蓄電池でも大きなシェアを持ちます。蓄電池のみ若しくは太陽光とのセットでの検討でも、必ず京セラの製品は候補になってきます。京セラの蓄電池は、12.0kWの大容量タイプです。大きく蓄えて、蓄えた電力を幅広く活かすシステムになっています。また大容量にも関わらず薄型、小型の本体サイズの実現が京セラの高い技術力を示しています。
3.2.1 京セラのおすすめ商品
太陽光発電連携型 リチウムイオン蓄電システム/大容量タイプ | |
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品番 | EGS-LM1201、EGS-LM1201C |
蓄電池容量 | 12.0kWh |
本体寸法 | 幅1060×高さ1250×奥行300mm |
質量 | 226kg |
希望小売価格 | 4,070,000円 |
押し上げあり | 太陽光売電優先モード、太陽光充電モード、ピークカットモード、深夜電力活用モード |
押し上げなし | 経済モード、グリーンモード |
特徴 |
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この商品は大容量であるので、停電時に気になる冷蔵庫への電力供給を優先できることから、食品を腐敗から守ってくれます。また、2パターンの運転モードで充電か売電、どちらを優先するか決めることができます。例えば、グリーンモードであれば日中は太陽光発電で作った電気を使用し、余剰した電力は蓄電池に充電します。昼間の高い料金での買電を抑え、安価な夜間電力を活用します。次に、経済モードはグリーンモードの反対に、日中に太陽光で作られた電力を積極的に売電し、割安な夜間電力を蓄電池に充電するモードです。もちろん日中家にいる時は、発電した電気を自家消費することもできます。
3.3 シャープ
シャープの家庭用蓄電池は、4.2kWのコンパクトタイプ、6.5kWのミドルタイプ、9.5kWの大容量タイプがあります。シャープの蓄電池は、太陽光で発電した電気がパワーコンディショナを介して、蓄電したり使用したりできるクラウド蓄電池です。また、蓄電池単体でも、夜間の割安な電気を蓄電して日中に使用するなど、賢く電気代を節約できます。
3.3.1 シャープのおすすめ商品
クラウド蓄電池システムについて、3種類ご紹介します。
コンパクトタイプ 4.2kW | |
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品番 | JH-WB1621 |
寸法・質量 | 幅500×奥行360×高さ605mm・77kg |
設置個所 | 屋内・屋外 |
小売価格 | 2,057,000円 |
特徴 |
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ミドルタイプ 6.5kW | |
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品番 | JH-WB1921 |
寸法・質量 | 幅560×奥行320×高さ575mm・74kg |
設置個所 | 屋内・屋外用 |
小売価格 | 2,607,000円 |
特徴 |
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大容量タイプ 9.5kW | |
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品番 | JH-WB2021 |
寸法・質量 | 幅560×奥行470×高さ685mm・120kg |
設置個所 | 屋内・屋外用 |
メーカー希望小売価格 | 3,575,000円 |
特徴 |
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4 まとめ
いかがでしたか?災害時の安全性と、平時の経済性という、二つの面から私たちの生活を保障してくれる蓄電池。導入してお得なことはたくさんあり、損をすることはありません。蓄電池を導入して、電力的・精神的に余裕のある毎日を送りませんか?これを機に、是非導入をご検討ください。