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家庭用蓄電池の容量や種類の選び方!ポータブル電源もおすすめ?

家庭用蓄電池の容量や種類の選び方!ポータブル電源もおすすめ?

導入すると非常に便利な蓄電池ですが、太陽光発電システムや電化製品と違って、蓄電池の導入をイメージするのが難しいという方も多いのではないでしょうか。携帯電話やデジタルカメラなど、蓄電池は様々な形で私たちの身近なものに使われています。

とは言え、家庭用となれば話は別。電池の種類、使用電力など、考えなければならないことがたくさん出てきます。それなのに、導入のイメージが湧かないと、どんなものを選べば良いか分からなくて困ってしまいますよね。このページでは、そんな方のために、家庭用蓄電池の選び方をご紹介いたします。

目次

    1 家庭用に蓄電池を導入する目的は?

    蓄電池を選ぶにあたり、まず初めに考えなければならないのはその導入目的です。導入目的は、蓄電池を選ぶにあたって非常に大切な要素のひとつ。導入目的が違えば、接続する機器も変わってくるため、選ぶ電池の種類も変わってきます。たとえば、導入目的が「非常時の情報源確保」である場合、接続する機器としては、ノートパソコンやルーター、携帯電話の充電器、テレビやラジオを想定することが出来ます。

    一方で「日常生活における電気料金の削減」を目的にした場合、想定される接続機器は、冷蔵庫や電灯、エコキュートなど、日常生活に欠かせない電化製品になるでしょう。あるいは、上記二つの目的とは別の目的にもとづいて、異なる機器を接続する想定が立つかもしれません。

    これらの機器はそれぞれ消費電力が異なるので、接続する機器が変われば、想定される合計消費電力量が変わり、ひいては必要な蓄電容量が変化します。だからこそ、目的を曖昧なままにしてしまうと、せっかくの蓄電池を有効利用することが出来ないのです。「せっかく導入したのに、いざというときに役に立たない」なんてことが無いように、製品を選び始める前に、まずはご家庭で蓄電池の導入目的について話し合い、明確にしておきましょう。

    蓄電池を導入する目的

    2 鉛とリチウムイオンの蓄電池の違いと特徴

    導入目的がはっきりしたら、次は蓄電池の種類を決めましょう。蓄電池は、主に「鉛蓄電池」と「リチウムイオン蓄電池」の2種類に分かれています。それぞれの蓄電池に異なる特徴があり、利点・欠点も違います。導入目的に合わせて、管理しやすい方の種類をお選びください。

    2.1 鉛蓄電池

    電極に鉛を用いている蓄電池。自動車のバッテリーに代表される蓄電池です。大型で重量があり、高い電圧を使用することが可能。比較的安価で汎用性があり、また蓄電池としては世界で最も生産量が多いため、私たちに広く普及しています。ただし、電極の劣化が早いという欠点も。完全に放電しきってしまうと劣化のスピードが速まるので、使用電力に注意が必要です。

    以下、鉛蓄電池のメーカーを2社紹介します。

    2.1.1 古河電池

    古河電池は、1950年創業の老舗メーカーで創業は70年を超えています。1966年に人工衛星用の蓄電池開発に成功、2006年には鉛蓄電池の性能を大幅に改善したウルトラバッテリーを開発、金星探査機「あかつき」に古河電池製のリチウムイオン電池が搭載されるなど、蓄電池メーカーとして輝かしい実績があります。

    古河電池の鉛蓄電池の主な製品は、自動車用、二輪車用、電動三・四輪車用、鉄道車両用、航空機用、船舶用、産業用、産業用太陽光発電システムなどになります。これまで培った技術に更に磨きをかけ、現在でも新たな蓄電池の開発を進めています。最近では、水を入れるだけで携帯発電機になる、MgBOX(マグボックス)とMgBOX slim(マグボックススリム)が注目されています。災害時に避難所等で使え、スマホはフル充電で30回できる容量がある大変便利な商品です。

    2.1.2 ジーエス・ユアサ コーポレーション

    ジーエス・ユアサコーポレーションは、日本で初めて鉛蓄電池を製造した会社です。また、他にも世界で初めて電気自動車用リチウムイオンバッテリーを量産化に成功するなど、高い技術力を誇ります。その技術力を生かし、宇宙空間、航空機、深海調査船など、過酷な環境下でも耐えうる高性能な蓄電池も開発しています。

    2.2 リチウムイオン蓄電池

    電解質中のリチウムイオンが電気伝導を担う蓄電池。小型のものが、携帯電話のバッテリーやデジタルカメラ、ノートパソコンなどに広く使われています。エネルギー密度が高いため、小型・軽量であるにもかかわらず、蓄電容量が大きいことが特徴です。小型で設置しやすいという利点がある反面、価格が高く、過充電・過放電・衝撃などの原因で発熱・破裂の危険性があるという欠点があります。

    以下、リチウムイオン電池のメーカーを3社紹介します。

    2.2.1 パナソニック

    パナソニックのリチウムイオン電池は、世界的でもトップクラスの生産量を誇ります。パナソニックのリチウムイオン電池の容量は3.5kWh(屋内設置用)、5.6kWh(屋内・屋外設置用)となっており、これらを組み合わせることで最大33.6kWhまでの蓄電容量を設定することが可能です。

    蓄電池で一番懸念されるのは、過充放電のセルの異常から生まれる発火です。万が一セルの中で発火が発生したとしてもセル間の類焼を防ぐ構造になっており、安全性が高まっています。さらに、外部からの衝撃にも強い設計となっており、震度6強の揺れでも異常を起こさず、5トンの荷重にも耐えられます。

    2.2.2 京セラ

    京セラは、2020年1月に世界初のクレイ型リチウムイオン蓄電池を搭載した住宅用定置型蓄電システム「Enerezza(エネレッツァ)」を販売しています。この商品は、「長寿命」、「高安全性」、「低コスト」をコンセプトに開発され、価格的に買い求めやすく、長寿命で安全性が高いことから使いやすい商品となっているのが特徴です。特に電池寿命保障が従来の10年から15年になっていることは、ユーザーとしては嬉しい限りです。さらに蓄電池ユニットは1台あたりの定格容量が5.0kWhとなっており、最大3台(15.0kWh)まで接続して使用することができます。

    2.2.3 ニチコン

    ニチコンは1950年創業、蓄電池分野での研究開発に定評があり、家庭用から産業用まで幅広く蓄電池を製造販売しています。特に、ニチコンの家庭用リチウムイオン電池の商品バリエーションは豊富で、さまざまなバリエーションに合わせて選択することができます。

    ■単機能蓄電システム

    • 【全負荷対応】蓄電容量16.6kWh ESS-U4X1(最大容量の200V対応モデル)
    • 【全負荷対応】蓄電容量11.1kWh ESS-U4M1(たっぷり蓄える200V対応モデル)
    • 蓄電容量16.6kWh ESS-U2X1(最大容量のフラッグシップモデル)
    • 蓄電容量11.1kWh ESS-U2Mシリーズ(常に停電に備える災害対策型モデル)
    • 蓄電容量12.0kWh ESS-U2Lシリーズ(大容量&長期保証モデル)
    • 蓄電容量4.1kWh ESS-U3S1(簡単設置、超小型&軽量モデル)
    • 蓄電容量4.1kWh ESS-U3S1J(重塩害対応)(簡単設置、超小型&軽量モデル)

    ■ハイブリッド蓄電システム

    • 蓄電容量12.0kWh ESS-H2シリーズ
    • 蓄電容量12.0kWh ESS-H1シリーズ

    ■トライブリッド蓄電システム

    • 蓄電容量8.0/4.0kWh ESS-T1シリーズ(太陽光パワコン内蔵)
    • 蓄電容量8.0/4.0kWh ESS-T2シリーズ

    3 使用電力量を計算しよう!

    蓄電池の種類が決まったら、次は接続機器を決め、使用電力量を計算しましょう。使用電力量の計算式は、以下のとおりです。

    使用電力量の計算式

    ただし、電気製品の負荷は運転状況によって異なります。蓄電池の仕様書に記載されている容量は一定の条件下で使用した場合の数値であり、周囲の環境によって変動する可能性は十分あることにご注意ください。以下は、一般的な電化製品の消費電力の一覧です。計算の際に参考にしてください。

    製品 消費電力
    ポータブルTV 2W~20W
    ラジカセ 5W~30W
    デスクトップパソコン 150W~300W
    ノートパソコン 50W~120W
    無線LANアダプタ 6W~15W
    携帯電話充電器 15W
    IHクッキングヒーター 3000W
    電子レンジ 1300W
    冷蔵庫 150~500W
    洗濯機 500W~900W
    電気スタンド(LED) 4W~10W
    電気スタンド(蛍光灯) 20W~24W
    電気スタンド(白熱灯) 60W

    4 蓄電容量・出力を選ぼう!

    使用電力量が計算できたら、次は蓄電容量を決めましょう。蓄電池は、加わる負荷が大きければ大きいほど引き出すことが出来る電力量が小さくなるという特性を持っています。たとえば、消費電力が300Wの機器を接続して10時間動かすことが出来る蓄電池に、600Wの電力を消費する機器を接続した場合、稼動させることが可能な時間は5時間を下回ってしまうのです。

    逆に、150Wの電力を消費する機器をつないだ場合、20時間を大きく超えて稼動することが出来ます。蓄電池のこのような特性を考慮して、蓄電池にかかる負荷がどのように変化するかに留意した上で、必要な蓄電容量を決めましょう。使用電力量よりも30%ほど余裕を持った容量であることが一般的です。

    次に出力についてです。一度に使うことが出来る電気の出力を、「定格出力」と呼びます。この定格出力は、同時に使用する機器や設備の消費電力を合計した電力量以上でなければなりません。たとえば、消費電力30Wのラジカセと消費電力150Wのデスクトップパソコンを同時に使いたい場合、最低でも定格出力が180W以上の製品を選ばなければならないのです。

    蓄電池を水槽、貯められた電気を水槽に入っている水だとするなら、定格出力は水槽に取り付けられた蛇口から出てくる水のようなもの。出てくる量以上の水を使うことは出来ませんよね。それと同様に、消費電力量の合計が定格出力を超える機器を、同時に使うことは出来ないのです。

    蓄電容量と定格出力

    定格出力を高めるには、かなりのコストがかかります。本当に同時に使う必要があるのかどうかを考えて、必要十分な線を見極めて、定格出力を決めましょう。冷蔵庫など、常に稼動させておく必要がある機器の消費電力を計算に入れることを忘れないように注意してください。

    5 ポータブル蓄電池とは

    ポータブル蓄電池とは、持ち運び可能で場所を問わず充電ができる蓄電池です。持ち運びができるので、キャンプやバーベキュー、車中泊、また災害時の予備電源として使える優れものです。ポータブル蓄電池は各メーカーから多くの商品が発売されており、蓄電容量や性能等で価格が大きく変わってきます。

    5.1 ポータブル蓄電池の特徴と使い方

    ポータブル蓄電池は、電源設備がない屋外等で気軽に充電ができる機器です。キャンプやバーベキューではスマホ充電や夜間のライトなどに使えます。また、災害時には電気が復旧するまでの予備電源として重宝します。

    ポータブル蓄電池はソーラーパネル付きの機種や、バッテリー交換できる機種がおすすめです。また、重量は8キロ以下の機種がほとんどで、なかには片手で持てるものもあります。他にも、AC電源の電源ポートが2口以上あるか、充電方法が複数あるかなど確認し、より利便性の高い機種を選びましょう。

    5.2 ポータブル蓄電池のメーカーと価格

    ここでは、ポータブル蓄電池のメーカーと価格等について紹介します。

    5.2.1 Jackery

    ジャクリーは、主にアウトドア用のポータブル蓄電池やソーラーパネルセット製造販売するメーカーです。自宅のコンセントからの充電のみならず、ソーラーパネルからの充電も可能であり、屋外で使用しながら充電もできる優れもの商品となっています。ジャクリーのポータブル蓄電池は、240Whのコンパクトタイプから1500Whの大容量タイプまで5種類あります。販売価格は19800円~179800円です。700Whのスタンダードモデルであれば、スマホ、ノートPC、ゲーム機など身近な機器の充電はもちろん、家庭生活に不可欠な調理器具や掃除機などの電気製品にも使用できます。AC出力、USB出力、DC出力などのポートを搭載し、どこでも手軽に給電できます。

    5.2.2 ECO FLOW

    ECO FLOWのポータブル蓄電池には、DELTAシリーズとRIVERシリーズがあります。特徴は、X-stream技術によりわずか1時間でゼロから80%へ高速充電ができ、フル充電はわずか1時間半超で完了します。また容量をアップすることも簡単で、車中泊やキャンプなどアウトドアや災害時の予備電源としておすすめです。AC電源とUSBの出力は3口ずつあり、防災製品等推奨品マークも取得済みで、安全性も確保されています。デザイン性もよく人気の商品です。

    5.2.3 JVC

    JVCのポータブル蓄電池は、部屋のインテリアにもなるデザイン性と安全性、また車中泊に便利な大容量タイプから手軽に使えるコンパクトモデルまで充実の商品ラインナップであることが特徴です。スタンダードタイプである626Whの商品では、本体重量は6.4キロであるので手軽に持ち運びができます。使用時間の目安は、スマホのフル充電は約35回、ノートPCは10時間、小型冷蔵庫は13時間稼働できます。他に、AC出力2口とUSB出力、シガーソケット出力を完備、また防災製品等推奨品認証を受けていることから、その高い安全性が評価されています。価格は71000円(税込)です。

    6 まとめ

    いかがでしたか?うまく使えばとても便利でお得な蓄電池ですが、決して安いものではありません。大切なのは、ご家庭できちんと話し合い、家族全員で蓄電池に対する理解を深めることです。また、蓄電池の導入に迷っているようであれば、価格がリーズナブルなポータブル蓄電池から始めてみるのがよいでしょう。ポータブル蓄電池は持ち運びができるので、アウトドアなどに普段使いも出来るほか、災害時の予備電源の役割も果たせます。
    蓄電池は、多数の国内メーカーからさまざまな機種が発売されているので、蓄電容量や使い勝手などを比較しながら購入を検討していきましょう。

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