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EVパワー・ステーションとは?仕組みやメリット・設置工事について解説

EVパワー・ステーションとは?仕組みやメリット・設置工事について解説

EV(電気自動車)に充電した電気を家庭内に供給することができるEVパワー・ステーション。電気自動車の需要が高まっている今、家庭用の電気自動車専用の充電器として購入を検討している方も多いでしょう。また、近年多く発生している自然災害。EVパワー・ステーションは、災害で停電が発生した時の電源確保という点からも、注目を集めているシステムなのです。

しかし、「名前は聞いたことがあるけど、どのようなシステムなのかは知らない」という方は多いと思います。今回は、そんなEVパワー・ステーションの仕組みを詳しく説明。また、EVパワー・ステーションを導入するメリットや、導入時の設置工事の内容、気になる初期費用についても徹底解説します。

目次

    1 EVパワー・ステーションとは?

    「EVパワー・ステーション」とは、ニチコン株式会社が製造したV2H(ビークル・トゥ・ホーム)システム。V2Hシステムとは、EV(電気自動車)への充電はもちろん、電気自動車のバッテリーに充電された電気を、家庭の電気として使用する事を可能にしました。移動の手段でしかなかった自動車を、家庭用の蓄電池として活用してしまおうという画期的なシステムなのです。

    電気自動車のバッテリーは大容量。最新型の電気自動車だと、蓄電池の容量は40kWhにもなります。これは、一般的な家庭用蓄電池のおおよそ2倍の量。このような大容量バッテリーを持つ電気自動車を、移動手段以外に使えないかと開発したのがニチコン株式会社。ニチコン株式会社は、V2Hシステムを世界で初めて開発したリーディングカンパニーです。

    一方、EVパワー・ステーションは、機能性を落とすことなく低価格を実現。EVパワー・ステーションの「スタンダード」であれば、本体価格が40万円と低価格。しかし、スタンダードはその分機能に制約があります。購入する時は、どのような機能が付いているのか確認しましょう。上位機種の「プレミアム」は、本体価格が80万円とスタンダードよりも高くなります。しかし、170万前後もするSMART V2Hと比較したら安価で導入が可能です。

    ちなみに、V2Hシステムはニチコン株式会社のほかに三菱電機が製造・販売を行っています。三菱電機のV2Hシステムは、「SMART V2H」シリーズ。EVパワー・ステーションと同等の機能を持ちながら、部屋に設置されたリモコンで簡単に操作ができる、操作性の良さが魅力です。ただ、使用中の太陽光発電システムとの相性によっては併用できないことも。太陽光発電システムとの併用を考えている方は、導入前に確認が必要です。

    EVパワー・ステーションとは?

    2 EVパワー・ステーションの仕組み

    EVパワー・ステーションは、自宅の電気配線とEVパワー・ステーションを接続し、電力会社から供給されている電気を電気自動車へ充電。充電した電気は自動車の燃料として使用するほか、電気自動車を蓄電池代わりとして電気を貯めておき、使用する時に家庭内へ供給するという仕組み。

    EVパワー・ステーションの活用方法は、電気代の安い夜間に電気自動車を充電し、昼間は貯めておいた電気を使用するという生活スタイル。もちろん昼間に電力が足りなくなった場合は、電力会社の電気を使うことも可能です。この仕組みによって、電気を効率よく使う事が可能になったのです。

    また、太陽光発電システムを導入している場合は、太陽光発電システムとEVパワー・ステーションを接続可能。太陽光発電システムで作られた電気を、電気自動車へ充電することができるようになります。充電された電気は、自動車の燃料はもちろん、生活用の電力が足りなくなった場合に補ったり、余った電力は売電することもできるのです。このようにEVパワー・ステーションは、太陽光発電で得た電気も無駄なく使用することができる仕組みとなっています。

    EVパワー・ステーションの仕組み

    3 EVパワー・ステーションのメリット

    EVパワー・ステーションは電気自動車の充電だけではなく、電気を効率よく使う事で、無駄な発電を抑えCO2削減への効果が期待できるなど、環境にも優しいというメリットがあります。ここでは、EVパワー・ステーションの導入で、わたしたちが得られるメリットをまとめました。導入する時の参考にしてみてください。

    電気代の節約に

    EVパワー・ステーションを導入するメリットは、なんといっても節電効果ではないでしょうか。EVパワー・ステーションの使用方法は、電気代の安い夜の時間帯に充電し、昼間は貯めておいた電気を使って過ごします。そのため、日中に電気を使用する家庭よりも、電気代を抑える事ができるのです。その削減効果は、年間3万~4万円にもなると言われています。

    これに加え、太陽光発電システムを導入している家庭であれば、太陽光発電の電気を使うことで、さらに電気代の節約が可能。また、太陽光発電は余った電力を電力会社に売ることができます。電気代を削減しながら、売電収入を得ることもできるのです。

    効率のよい電力供給が可能に

    EVパワー・ステーションには、「系統連系機能」が搭載されています。これは、電気自動車から電気を供給している時でも、電力会社や太陽光発電で発電した電気を同時に使用できる機能。たとえば、夜間に貯めておいた電気が、日中に足りなくなってしまった時、電力会社の電力や太陽光発電システムから足りない分を補う事ができるのです。この機能を使うことによって、必要な時に必要な分だけ、効率よく電気を使うことができます。

    停電への備えに

    近年、災害による停電が多く発生しています。もし、停電が発生してしまった時、EVパワー・ステーションがあれば、電気自動車から自宅に電力を供給することが可能です。電気自動車は大容量のバッテリーを備えているので、災害時の備えとしてもおすすめです。

    たとえば、家庭用蓄電池は大容量のものでも12kWh程度の容量しかありません。12kWhの場合、停電の時に使用できる時間は、おおよそ23時間となります。一方、最新型の電気自動車の場合、バッテリー容量は40kWhも。40kWhの電気量は、4人家族で通常通り電気を使用した場合でも、約3日間も使い続けられる量です。停電が長時間にわたっても、これだけの容量があれば安心できますね。

    電気自動車への充電スピードが早い

    EVパワー・ステーションには「倍速充電機能」が搭載されています。この機能により、電気自動車への充電スピードが最大で約2倍に。たとえば、日産リーフを充電した場合、標準装備されているケーブル(200V/15A)を使って充電すると、充電完了に約8時間かかります。ところがEVパワー・ステーションなら、その半分の約4時間で充電が完了するのです。

    電気自動車のデメリットは充電時間の長さでしたが、EVパワー・ステーションがあれば、寝る前にセットしておいて、次の日すぐに使う事ができます。「使いたい時に充電が完了していない」そんなイライラも解消されるでしょう。

    自動車の燃料費が安い

    一般的に電気自動車の燃料費は、ガソリンを使う自動車より安く済みます。たとえば、ガソリン車で月1万円のガソリン代がかかる距離を、電気自動車は2000円程で走れます。ガソリン車の燃料費の約1/5の電気代で同じ距離が走れるのです。

    それに加え、太陽光発電システムを導入している家庭なら、太陽光発電で得た電力も自動車の燃料として使えますので、もっとお得に。EVパワー・ステーションは、初期費用が高額ではあるのですが、燃料費や電気代の削減効果を長期的に考えると、経済的な負担を減らすことができるのです。

    EVパワー・ステーションのメリット

    4 EVパワー・ステーションの設置条件と工事・初期費用

    便利で節電効果もあるEVパワー・ステーション。実は、設置にはいくつかの条件があるのです。自宅の環境が設置条件を満たしていないと「導入を決めても設置できなかった…」という事になりかねません。また、導入が決まると設置工事や費用が気になります。設置工事の施工内容や、設置費用の目安などを詳しく解説します。

    4.1 EVパワー・ステーションの設置の条件

    設置条件の1つ目が、ご自宅の電力会社との契約内容。EVパワー・ステーションを設置するためには、「40A以上、12kVA以上」の契約が必要。電力会社とどのような契約をしているか、設置前に確認しておきましょう。もし条件にあっていない場合は、契約内容の変更を行いましょう。

    2つ目が、建物の種類。設置できる建物は、戸建て、もしくはテラスハウスとなります。集合住宅では設置できませんので気を付けましょう。

    3つ目が、中継ボックスを設置するスペースの確保。分電盤の近くに設置場所を確保できることが条件となっています。中継ボックスの大きさは機種によって違いがありますので、ホームページやカタログで大きさを確認してみましょう。

    4つ目は、EVパワー・ステーションを置く場所の確保です。設置条件は、自動車の充電口から7m以内の場所になります。都心部などにお住まいで、車庫や駐車場のスペースが広く取れない地域ですと、自動車だけでいっぱいになってしまい、EVパワー・ステーションを置く場所が確保できないという事も考えられます。導入前にしっかり確認しておきましょう。

    また、EVパワー・ステーションは自動車に接続して使う設備。自動車からあまりに離れたところに設置してしまうと、使い難くなってしまいます。設置の際は、使いやすさも考慮に入れて設置場所を決めたいものです。他にも、雨垂れや雪が落ちてくる可能性がある場所、冠水被害が予想される場所には設置できません。これらの条件を踏まえて、ご自宅に設置が可能か検討してみてください。

    それから、EVパワー・ステーションの設置には各種申請が必要です。電力会社との契約内容に変更がある場合は、電力会社へ「契約容量変更申請」が必要。それから、導入されるすべての方が「系統連系申請」を行う必要があります。

    また、太陽光発電システムを使用している方やこれから併設する方は、経済産業省へ「設備認定申請」も必要です。EVパワー・ステーションと太陽光発電システムの2つのシステムを導入すると、「ダブル発電」という扱いになるためこの申請が必要になってきます。このような申請作業は、施工業者がするのが一般的ですが、電力会社の契約内容変更は依頼主がするものですので、忘れずに確認しましょう。

    4.2 設置工事の内容と施工期間

    EVパワー・ステーションの設置工事は、通常1日で完了します。ただ、工事前に設置場所の確認のため、前もって現地調査が必要です。工事の内容としては、屋内で専用ブレーカーと分電盤の設置工事、配線などの作業をします。屋外では、充電器の設置工事や、配線・配管の敷設などを行います。

    分電盤の配線作業中には、一時的に停電が発生します。短い時間の停電ですが、停電によってパソコンのデータ喪失など、機器の異常が発生する事も。不安な場合は、作業前に電源を切るなどの対策をしておきましょう。

    4.3 設置工事の費用

    工事費用は、おおよそ25万から40万が目安と言われています。EVパワー・ステーション本体価格は、40万から80万くらいですので、初期費用の総額は60万から120万と高額。このほか、設置場所の状況によっては追加工事が必要になることも。複数の業者から見積もりを取って、納得のいく業者を選びましょう。

    ただ、EVパワー・ステーションの導入には、国や地方自治体で補助金制度が用意されています。国の補助金の申込方法など、詳しくは一般社団法人次世代自動車振興センターのホームページで確認してみてください。それから、各自治体の補助金の内容については自治体によって違いがありますので、事前にお住まいの自治体に確認しておくといいでしょう。

    EVパワー・ステーションの導入は、今後の電気代削減や災害時の備えとして考えると、決して無駄な投資ではありません。補助金制度も利用できますので、電気自動車をお持ちの方はこれを機に検討してみてはいかがでしょうか?

    また、これから電気自動車を購入する方は、自動車購入時に一緒にEVパワー・ステーションを導入するとお得になる事も。たとえば日産自動車では、日産リーフとV2Hの同時契約で工事費用を還元してくれるキャンペーンを行っています。ただし、販売店によってはキャンペーンを行っていない場合もありますので、注意が必要。これから電気自動車の購入を検討する方は、お得なキャンペーンを実施しているか確認してみてください。

    設置工事の費用は?

    5 まとめ

    いかがでしたでしょうか?EVパワー・ステーションは、電気自動車の充電器というイメージの方が多かったと思います。ところが、充電器としての機能以外にも、こんなにもたくさんの機能が備わっている設備なのです。

    EVパワー・ステーションを導入すれば、移動手段でしかなかった電気自動車を有効活用することが可能に!電気代の節約以外にも、災害の時の停電でも威力を発揮してくれるなど、とても便利な設備。電気自動車をすでにお持ちの方も、これから購入を検討される方にもおすすめの設備です。

    導入にあたっての初期費用は高額ではありますが、今後の電気代など経済的な効果を考えると、決して高い投資ではないかもしれません。また、補助金も用意されているので、導入費用の負担を軽減することができます。この機会にEVパワー・ステーションを、検討してみてはいかがでしょうか?

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