湯沸かし器でお湯が出ない!故障の原因と自分でできる修理方法
2019年12月23日 更新湯沸かし器は給湯器と違い、サイズがコンパクトでシステムキッチンにも簡単に後付けできます。とても便利な湯沸かし器ですが、給湯器のように故障したときの応急処置や修理方法の情報が少ないですよね。
そこで、湯沸かし器のお湯が出ないときの原因と応急処置を解説します。お湯が出ない湯沸かし器は故障しているとは限らないため、応急処置を知っておくと修理費用が無駄にならずに済みますよ。
目次
1 湯沸かし器のお湯が出ない原因と応急処置
湯沸かし器は給湯器よりもコンパクトで、狭い場所でも使える利便性があります。一般的には「ガス瞬間湯沸かし器」とも呼ばれていて、キッチンが狭い集合住宅などでは重宝されているのです。
1.1 湯沸かし器のお湯が出ない原因
湯沸かし器のお湯が出ない原因には、次のようなものがあります。
- 電池切れ/電源プラグが抜けている
- ガスや水道の元栓が閉まっている
- ガスホースが折れ曲がっている
- フィルターの目詰まり
- 安全装置が働いている
- 給排気の問題
- 経年劣化による動作不良
湯沸かし器のお湯が出ないとき、比較的多い原因が電池切れ。湯沸かし器の多くは小型で「ガス瞬間湯沸かし器」などと言いますが、ガスの点火には電池が使われていることが多いと言えます。近年の湯沸かし器は電池切れを知らせてくれる機能がありますが、気づかずに放置して電池切れになると点火できなくなるのです。電源プラグがある湯沸かし器は、コンセントに差し込まれていない場合があります。いずれの場合でも湯沸かし器のガスバーナーが使えず、お湯が出ない原因となるのです。
同様にガスの元栓が閉まっていても、湯沸かし器のガスバーナーが使えなくなってお湯が出ない原因となります。水道の元栓も同様。ガスや水道の元栓は湯沸かし器の掃除をしたときなどに閉めたままにしてしまうことがあるのです。あまり多い原因ではないですが、湯沸かし器のお湯が出ないときは原因の一つとして確認してみましょう。
湯沸かし器には給水部にフィルターがあります。お風呂の給湯器も同じですが、フィルターが目詰まりすると給水されずにお湯が出ない原因となるのです。フィルターの目詰まりは、意外と見落としやすい原因と言えますよ。
また、湯沸かし器のトラブルの中で、自分では対処できないのが安全装置の作動による機器の停止。湯沸かし器の安全装置は不完全燃焼を防いだり、過熱を防いだりするためには必要な機能です。一方で、安全装置が働くと、湯沸かし器が使えなくなってしまいます。安全面から自分では湯沸かし器を復旧できないようになっているため、お湯が出なくて困ることがよくあるのです。
そのほか、湯沸かし器を作動させるために必要な給排気が行えなくなると、ガスバーナーに点火せずにお湯が出なくなります。給排気の問題はホコリなどの汚れが給排気口に溜まることでも起こりますが、湯沸かし器の劣化によって給排気が正常にできなくなることもあるため、注意が必要です。
さらに経年劣化によって、湯沸かし器が正常に作動しなくなってお湯が出ないこともあります。経年劣化による湯沸かし器の動作不良が起これば、湯沸かし器の修理や交換が必須。お湯が出にくくなったり、湯沸かし器の動作が不安定になったりするようであれば、湯沸かし器の交換を考えておきましょう。
1.2 湯沸かし器のお湯が出ないときの応急処置
湯沸かし器のお湯が出ない場合、いくつかの原因には自分でできる修理方法や応急処置があります。しかし、安全装置が作動したときなどはメーカーや販売店への連絡が必要。自分で湯沸かし器を復旧することはできないため、無理をしないでください。
湯沸かし器の状態 | 応急処置・対処法・修理方法 |
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安全装置が作動している (お知らせランプが点灯している) |
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水は出る (お湯が出ない/点火しない) |
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水も出ない(お湯も出ない/点火しない) |
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湯沸かし器のお湯が出ないときは、次の応急処置を試してみましょう。
湯沸かし器には安全装置がいくつかあります。湯沸かし器に採用されている主な安全装置は「不完全燃焼防止装置」「再点火防止装置」「立ち消え安全装置」「消し忘れ防止装置」などです。特に注意しておきたいのは再点火防止装置。
再点火防止装置は「インターロック」とも呼ばれていて、不完全燃焼防止装置が繰り返し作動すると機器を使用できなくする装置です。安全性を考慮して、一時的に湯沸かし器が使えなくなり、メーカーや販売店などの専門業者でなければ解除できない機能となっています。再点火防止装置が作動すると、湯沸かし器の多くはランプなどで知らせてくれるため、取扱説明書などを参考にしてみましょう。そして、再点火防止装置が作動しているときは自分で修理や応急処置はできないことを理解しておいてください。
また、水が出るかどうかに関係なく、湯沸かし器が一度の操作で作動しないケースがあります。それがガス配管内に空気がある場合。例えば、朝一番に湯沸かし器を使うときなど、ガス配管内に空気が残ったままになっていることがあるのです。この空気が湯沸かし器を使えなくする原因になることがあります。ただし、一般的には湯沸かし器をもう一度点火すると、正常に使えるようになることがほとんどです。断水や凍結がなければ、落ち着いてもう一度点火してみましょう。
一覧にある応急処置を試しても湯沸かし器が使えない場合、湯沸かし器の故障が疑われます。部品の劣化や破損が疑われるため、メーカーや販売店に点検を依頼してください。
2 湯沸かし器のお湯が出ない故障は修理するべき?
湯沸かし器のお湯が出ないとき、修理するほうが良いのか、新しい湯沸かし器に交換するほうが良いのかで迷うこともありますよね。そこで、湯沸かし器の修理と交換について解説します。
2.1 湯沸かし器の故障は修理するべき?交換するべき?
小型の瞬間湯沸かし器の寿命は平均で8~10年。湯沸かし器の使用頻度によっても異なりますが、15年程度使えることもよくあります。一方で、頻繁に湯沸かし器を使う場合には5~7年で点火しにくくなることがあるのです。
さて、湯沸かし器のお湯が出なくなったとき、修理するかどうかは先に紹介した年数を目安に考えることが一つ目のポイント。例えば、湯沸かし器を6、7年使っていた場合、修理しても寿命の目安はすぐに訪れます。湯沸かし器の寿命が来れば、安全装置なども劣化してしまうため、安全に使えなくなるかも知れません。そう考えると、古くなった湯沸かし器を修理するよりも交換したほうが安心ですよね。
反対に5年程度しか使っていない湯沸かし器であれば、大切に使えば倍の年数くらいは使える可能性があると言えます。すると、湯沸かし器の故障の状態にもよりますが、修理したほうがお得になることもあるのです。
次に湯沸かし器の修理と交換を判断する目安が、湯沸かし器の価格。実は、湯沸かし器は工事費込みの価格で購入してもとても安く買えます。湯沸かし器を修理すると、業者の出張費用などを含めて、あっという間に「5,000~10,000円」という額になってしまうのです。部品の交換費用などがかさめば、数万円の修理費用ということも珍しくありません。
湯沸かし器の交換や設置費用の詳細は後ほど解説しますが、湯沸かし器の相場は工事費込みで4万円前後。一度故障した湯沸かし器は故障しやすくなること、長く使えば故障が起こりやすくなることなどを考えると、お湯が出なくなったときに新しい湯沸かし器に交換するという判断をする人もたくさんいるのです。
要するに、少し勿体ないと思うことがあるかも知れませんが、湯沸かし器が故障したときには買い替えるほうが良いでしょう。故障を修理して使うことも良いですが、いざというときに古くなった安全装置が作動しなければ大変なことになります。安心して使うためにも湯沸かし器を買い替えるほうが、高くなるかも知れない修理費用を払うよりもメリットが多いはずです。
2.2 湯沸かし器の交換や設置費用はいくら?
湯沸かし器の交換や設置費用の相場は4万円前後。そこで、実際の湯沸かし器の工事費込みの価格を紹介しておきます。
湯沸かし器の工事費込みの価格 | ||
---|---|---|
ノーリツ | YS546 | 32,000円~ |
リンナイ | RUS-V51YT(WH/SL) | 34,000円~ |
パロマ | PH-5FV | 35,238円~ |
主なメーカーの湯沸かし器の工事費込みの価格です。相場よりは少し安くなっていますが、こちらは工事費込みの最安値。設置する場所やお住まいの地域などで、湯沸かし器の価格が異なるので注意してください。
また、この湯沸かし器の価格を見ても分かるように「35,000円」もあれば、新しい湯沸かし器を設置してもらうことができます。もしも湯沸かし器の修理費が1万円を超えるようであれば、新しい湯沸かし器にしたほうが良いと感じる人は多いですよね。このことも参考にして、湯沸かし器を修理するかどうかを検討してください。
3 まとめ
湯沸かし器のお湯が出ないときの原因と応急処置を解説しました。湯沸かし器のお湯が出ない場合は安全装置が作動していることも少なくありません。修理しても再び湯沸かし器が使えなくなることもあるため、新しく買い替えるほうが良いですよ。湯沸かし器は比較的安いですし、安全装置も新しくなったほうが安心できますよね。