灯油ボイラーの寿命は?故障の症状や買い替え時について
2020年5月27日 更新灯油ボイラーは、寒冷地ではガスや電気の給湯器よりも人気があります。しかも、寒冷地では灯油ボイラーを暖房やセントラルヒーティングに活用している場合もあって、灯油ボイラーが故障してしまうと大変なことになるのです。
そこで灯油ボイラーの寿命や耐用年数、故障の症状について解説していきます。灯油ボイラーが故障して寒い日に暖房が使えずに困ることがないように、灯油ボイラーの買い替え時についても解説するので参考にしてください。
目次
1 灯油ボイラーの寿命や耐用年数はどのくらい?
灯油ボイラーが故障すると、給湯器や暖房の機能を失うため、とても不便になります。そのため、灯油ボイラーの寿命や耐用年数を知っておくことはとても重要なのです。
1.1 灯油ボイラーの寿命
灯油ボイラーの寿命や耐用年数は、およそ8~10年。ガスや電気の給湯器と比較すると、灯油ボイラーは寿命が少し短いとされています。また、各メーカーが灯油ボイラーなどに記載する「設計上の標準使用期間(設計標準使用期間)」は「10年」となっていることが多いです。
灯油ボイラーの寿命や耐用年数がほかの給湯器よりも短いのには、いくつかの理由があります。例えば、ほかの給湯器は給湯に使う家庭がほとんどですが、灯油ボイラーを使う家庭では給湯に加えて暖房にも使う家庭が多いというのも一因。特に寒冷地で好まれる灯油ボイラーは冬場にフル稼働することも多く、それだけ耐用年数や寿命を縮めているとも考えられているのです。
もちろん、灯油ボイラーの寿命が短いとされているのには、それ以外の理由もあります。しかし、灯油ボイラーに限らず、よく使うものはそれだけ寿命や耐用年数が短くなるのは言うまでもないですよね。ですから、灯油ボイラーの寿命や耐用年数は、一般的な給湯器よりも少しだけ短いと思っておくようにしましょう。
1.2 灯油ボイラーの耐用年数が過ぎたらどうなる?
灯油ボイラーが寿命で故障した場合、すぐに買い替えますよね。しかし、大きな故障がないままに耐用年数の10年を超えてしまった場合、灯油ボイラーはどうなるのでしょうか?
もちろん、故障していなければ、灯油ボイラーを使い続けてもOK。適切に点検やメンテナンスをすることで、10年以上使える灯油ボイラーも少なくないからです。ただし、およそ8~10年という灯油ボイラーの耐用年数を経過した場合、少なくとも故障するリスクは高まるため、十分な注意が必要。
灯油ボイラーを始めとして、多くの給湯器は耐用年数を経過すると、故障しやすくなります。灯油ボイラーの場合は「着火不良(点火しない)」や「油漏れ」が起こりやすくなるのもこの時期からです。そのため、故障していない灯油ボイラーは使用を続けても構いませんが、故障しやすくなるので定期的な点検などを行うようにしましょう。
また、灯油ボイラーに不具合が起きていないかどうか、普段から確認することも重要。耐用年数を経過した場合には、日常のチェックを怠らないようにしましょう。そして、少しでも問題が起きた場合には速やかに点検や修理、交換を依頼するなど、普段から灯油ボイラーを気にかけるようにしてください。
2 灯油ボイラーの故障の症状
ここからは、灯油ボイラーの故障の症状を紹介。もしも紹介するような故障の症状が出た場合には、灯油ボイラーの修理を依頼してください。また、耐用年数が近くなっている灯油ボイラーの場合には、新しい灯油ボイラーに買い替えることも検討しましょう。
2.1 主な灯油ボイラーの故障の症状と対処法
まず、主な灯油ボイラーの故障の症状を一覧で紹介。
灯油ボイラーの故障の症状 | 主な原因など |
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異音・爆音がする、着火音が大きい |
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着火不良、火がつきにくい |
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お湯・水が出ない |
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お湯がぬるい |
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湯量が少ない・水圧が弱い |
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油漏れがある、灯油くさい、異臭 |
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煙が出る |
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水漏れする |
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頻繁にエラーが出る |
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灯油ボイラーの故障の症状で多いのは、着火不良と油漏れ。灯油ボイラーの着火不良は故障していない場合でも発生することがあります。特に古くなった灯油ボイラーは着火不良が続くようになり、やがて火がつかなくなるという症状になる場合も珍しくないのです。
油漏れは比較的気づきやすい症状の一つ。しかし、どこから漏れているのかが分かっても、自分で修理しようとするのは危険です。基本的に灯油ボイラーの油漏れに気づいた場合は、速やかに修理を依頼してください。
また、普段から油漏れをしていないか、チェックすることも重要。定期的な点検を依頼することはもちろんですが、自分でも灯油ボイラーを定期的にチェックしておきましょう。例えば、送油管に亀裂などがないか、送油管や本体・各部品の接続部分に緩みがないか、灯油の入っているタンクの破損などはないかなどをチェックすることが大切です。
2.2 故障と間違えやすい症状とは?
最も故障と間違えやすい症状は凍結。灯油ボイラーの場合、冬場などは灯油の中の水分が凍結して火がつきにくくなることもあります。また、空気が入ってしまった場合なども火がつかずに困ることもよくあるのです。しかし、これらは故障とは言えないため、落ち着いて対処しましょう。
さらに、灯油ボイラーは比較的大きな音がします。そのため、着火音などを爆音と勘違いする人もいるのです。しかし、これも故障とは限らない症状。灯油ボイラーの着火音が大きくなった場合は別ですが、最初から着火音が大きかったり、火がついたときに爆音がしたりすることもあるので注意しておきましょう。
3 灯油ボイラーの買い替え時は?
灯油ボイラーが故障したとき、修理するほうが良いのか、それとも買い替えるのが良いのかは迷うものです。そこで、灯油ボイラーの買い替え時と買い替えた場合の費用の相場について解説します。
3.1 灯油ボイラーの買い替え時は?
灯油ボイラーが故障した場合、買い替えるか、修理するかで迷いますよね。灯油ボイラーの寿命や耐用年数はおよそ8~10年なので、灯油ボイラーを買い替えてから5年以下で故障した場合には修理するほうが良いでしょう。
ただし、故障したときの状況次第。灯油ボイラーに致命的な故障が起こったり、本体を買い替えたほうが安くなったりする場合は、修理にこだわらないことが大切です。ほんの数年しか使っていなくても、新しい灯油ボイラーを購入すると、それだけ長く使えるようになりますよね。ですから、修理に必要な費用が、新規の購入費用を超えるような場合は買い替えを選択してください。
また、灯油ボイラーの故障では油漏れがよくあります。専門業者が灯油ボイラーの状態を確認するまでは分かりませんが、修理するよりも買い替えたほうが良いということもよくあるのです。そのため、使っている灯油ボイラーに油漏れが起きたときには、そのまま買い替えるというのも一つの選択肢。実際、ほかの給湯器よりも灯油ボイラーの寿命は短いため、何らかの不具合が起きたときには買い替えるという人も少なくないのです。
3.2 灯油ボイラーの価格の相場は?
灯油ボイラーは給湯器の中でも設置費用が安いと言えます。そのため、灯油ボイラーの修理に「出張費用」や「部品代」などを支払うと、新しい灯油ボイラーが買えてしまうということまであるのです。
そこでポイントになるのが、灯油ボイラーの価格の相場。灯油ボイラーが故障して修理の見積もりを出してもらったときに、その費用で新しい灯油ボイラーを購入できるかどうかが分かるほうが良いですよね。
灯油ボイラーの本体だけであれば、ネット上では「約65,000~70,000円」くらいから販売されています。ただし、工事費は含まれません。また、灯油ボイラーの一般的な工事費用は「30,000~40,000円」が相場。ですから、灯油ボイラーの工事費込みの相場としては「10万円~」となるのです。
灯油ボイラーの工事費込みの交換費用の一例を紹介。
灯油ボイラー種類(型番:メーカー) | 工事費込みの価格 |
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給湯専用(IB-3864E:長府製作所) | 116,000円~ |
給湯+追い焚き(KIB-3864E:長府製作所) | 141,500円~ |
給湯+暖房(PG-4002:長府製作所) | 148,000円~ |
給湯+追い焚き+暖房(OTH-4701AY-1BL:ノーリツ) | 290,000円~ |
ここで紹介したのはあくまで一例。灯油ボイラーの種類や自宅の状況などで費用は変わります。そのため、必ず見積もりを出してもらってから工事を依頼するようにしましょう。
また、ここで紹介したのは工事費込みの価格ですが、灯油ボイラーの本体をネットショップで購入して設置だけを業者に依頼すると、どうしても割高になってしまいます。工事費用が少し高くなることもあるため、工事費込みの価格で灯油ボイラーを探すのが一番。最も安く灯油ボイラーを設置したい場合の注意点として気をつけておきましょう。
4 まとめ
灯油ボイラーの寿命や耐用年数、故障の症状などについて解説してきました。灯油ボイラーは10年程度で耐用年数が過ぎますが、適切なメンテナンスを行えば、より長く使えます。また、灯油ボイラーに故障のサインや症状が出たときには、修理をするか、買い替えるのかを慎重に判断してくださいね。