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太陽熱温水器とエコキュートを併用するのはあり?費用対効果を比較

太陽熱温水器とエコキュートを併用するのはあり?費用対効果を比較

エコキュートは省エネ性能が高い給湯システムとして人気になっています。しかし、エコキュートよりも古くからある「太陽熱温水器」という自然エネルギーを使う給湯システムをご存知ですか?

実は、この太陽熱温水器とエコキュートを組み合わせることで、より省エネ性能が高い給湯システムになるのです。太陽熱温水器はランニングコストがゼロなので、費用対効果は高いと言えますよね。 ここでは、太陽熱温水器とエコキュートを組み合わせたシステムについて、その費用対効果などを詳しく解説しています。

目次

    1 太陽熱温水器とエコキュートを比較

    太陽熱温水器は1970年頃に普及していて、一時は多くの家に太陽熱温水器が設置されているという時期もありました。しかし、利便性が低いことが災いして、近年は太陽熱温水器を設置する家庭はほとんどないのです。

    一方で、省エネ性能が高いエコキュートが登場すると、同じ自然エネルギーを使う太陽熱温水器も再び注目されました。そして、太陽熱温水器とエコキュートの両方のメリットを生かすシステムが作られることになるのです。

    1.1 太陽熱温水器の仕組み

    太陽熱温水器は、文字通りに「太陽の熱でお湯を沸かす」というシステムです。 太陽熱温水器の仕組みは単純で、太陽の熱を集める「集熱部」とお湯を溜めておく「貯湯部」があるだけです。これを屋根の上に設置して、太陽の熱を集めてお湯を作るのが太陽熱温水器と言えます。

    夏場に水道の蛇口から温かい水が出てきたという経験はありませんか。科学的な原理はそれと同じ。まずは集熱部に水を流して温めます。温度が上がった水は貯湯部(貯湯タンク)の上へ行き、温度の低い水が貯湯部の下から集熱部に流れ込むということを繰り返してお湯を沸かすのが太陽熱温水器です。

    この太陽熱温水器が使うのは自然エネルギーである「太陽熱」のみです。そのため、夏場は「およそ60度」まで温度を上げることができますが、太陽の熱が弱くなる冬場は「およそ30度」くらいの温度までしか上がりません。

    しかし、太陽熱温水器を使えば、冷たい水を沸かして給湯するよりも効率的なので、光熱費を節約することができるのです。また、太陽熱温水器のランニングコストも必要ないため、設置費用だけで済むというメリットもあります。

    1.2 エコキュートの仕組み

    エコキュートは「空気の熱でお湯を沸かす」というシステムです。 エコキュートには「ヒートポンプユニット」が使われています。エコキュートは熱を持った空気を二酸化炭素などの「自然冷媒」と呼ばれる物質が取り込みます。その空気を圧縮して温度を上げたあと、その熱を使ってお湯を沸かします。ここでは「水熱交換器」を使うことで、効率的に空気の熱を水(お湯)に渡すことができるのです。

    エコキュートは様々な面で電気が使われているため、ランニングコストがかかります。しかし、エコキュートは空気の熱を水に渡すことでお湯にするという仕組みなので、ヒーターやガスなどでお湯を沸かすよりも光熱費が安くなるのが特徴と言えるのです。

    1.3 太陽熱温水器とエコキュートを比べると?

    太陽熱温水器とエコキュートは、どちらも自然エネルギーを使う給湯システムです。そのため、ガスや電気だけを使う給湯システムよりも光熱費が節約できるという点がポイント。光熱費を節約したい場合には、太陽熱温水器やエコキュートの導入を検討しましょう。 そこで、太陽熱温水器とエコキュートを比較してみます。ここでは「コロナ製品」で比較しています。

    コロナ製品 型番 容量 希望小売価格(税別)
    太陽熱温水器 USH-23XH 230L 236,000円
    エコキュート CHP-HXE37AY1 370L 960,000円

    太陽熱温水器よりもエコキュートのほうが高いですよね。しかし、実売価格を比較すると、エコキュートもそこまで高くはありません。

    コロナ製品 型番 実売価格 ランニングコスト
    太陽熱温水器 USH-23XH 約134,000 0円
    エコキュート CHP-HXE37AY1 約342,000 約15,800円

    実売価格はネット上で販売されている価格です。また、ランニングコストはコロナのホームページ上で紹介されているランニングコストをそのまま記載しています。

    太陽熱温水器とエコキュートを比較すると、太陽熱温水器のほうが、明らかに費用対効果が高いと言えます。実売価格でも太陽熱温水器のほうが安いですし、何よりもランニングコストがかからないというところが良いと言えるでしょう。

    2 太陽熱温水器のメリットやデメリット

    太陽熱温水器は熱変換効率が高く、太陽のエネルギーの50%超を熱エネルギーとして使えるとされています。太陽光発電が1、2割という変換効率なので、太陽熱温水器の効率の良さが目立つでしょう。また、太陽熱という自然エネルギーを使うため、とても自然に優しい給湯システムと言えます。

    しかし、太陽熱温水器に上記のようなメリットがある一方で、太陽熱温水器には普及しない理由とも言えるデメリットもあるのです。それが、天候や気候。天気が悪ければ、太陽熱は十分に使えません。また、冬場も太陽熱は弱く、お湯の温度が十分に上昇しないと言えます。 つまり、冬場は太陽熱温水器で30度くらいになったお湯を沸かして使うことになるため、光熱費がかかってしまうことになるのです。

    太陽熱温水器のランニングコストではありませんが、このデメリットも忘れないようにしましょう。

    さて、ここからがポイント。

    太陽熱温水器には大きなメリットがある一方で、不安定な要素がデメリットとしてあると言えます。そのため、そのデメリットを補える方法があれば、太陽熱温水器をより生かせると言えるでしょう。要するに、その太陽熱温水器のメリットを生かして、デメリットを補うための方法がエコキュートとの併用になります。

    太陽熱でお湯を作る

    3 エコキュートと併用するのはあり?

    太陽熱温水器とエコキュートを併用するのは、太陽熱温水器のデメリットを補いつつ、そのメリットを生かすための方法と言えます。そのため、今から太陽熱温水器を新しく設置するのであれば、より効率的に使えるエコキュートを併用するシステムを導入することが推奨されるのです。

    3.1 太陽熱温水器とエコキュートの相性は?

    太陽熱温水器とエコキュートを併用するというくらいですから、それぞれの相性は良いと思ってしまう方がいるかも知れません。しかし、実際には「太陽熱温水器とエコキュートは相性が決して良い訳ではない」と言えます。

    太陽熱温水器とエコキュートの相性が良いとは言えない理由は難しい話になりますが、太陽熱温水器から送られるお湯の温度や水圧、天候によって使用する水量などが変わることで、エコキュートが沸かす湯量を自動で減らしてしまうことなどがあるとされています。つまり、太陽熱温水器とエコキュートをそのまま併用しても無意味。それが一般的な意見と言えます。

    では、どうして太陽熱温水器とエコキュートを併用するのが良いという結論を出したのか?

    実は、太陽熱温水器とエコキュートの基本的な考え方を使った給湯システムがあるからです。当然のことながら、基本的な考え方を使っているだけで部分的には異なる仕組みがあります。そのため、厳密には太陽熱温水器とは言えないかも知れない仕組みとエコキュートを併用しているのです。

    つまり、太陽熱温水器とエコキュートを併用しているというよりも「太陽熱も利用できるエコキュートがある」ということが適切なのです。

    3.2 太陽熱を利用したエコキュート

    経済産業省「資源エネルギー庁」が報告した国内エネルギー動向によれば、2016年の家庭のエネルギーシェアにおける給湯の割合は「28.3%」です。つまり、太陽熱温水器やエコキュートで給湯システムに必要なエネルギーを抑えることで、家庭で使うエネルギーの約3割を削減していけることになります。その先駆けになると考えられる給湯システムが、太陽熱を利用したエコキュート。

    太陽熱を利用したエコキュートは「矢崎エナジーシステム株式会社」や「長府製作所」などが販売しています。これは、太陽熱温水器の基本的な考え方である「ソーラーシステム(太陽熱を集めて利用する集熱システム)」とエコキュートを組み合わせた製品です。

    つまり、太陽熱温水器とエコキュートを併用するという発想に基づいていると言えます。

    この太陽熱を利用したエコキュートは、太陽熱温水器と同じように「集熱ユニット(ソーラーパネル)」を屋根に設置して太陽熱を集めます。その太陽熱でお湯を沸かして使います。

    一方で、ヒートポンプユニットを使って、エコキュートの仕組みと同様に空気の熱でお湯を沸かします。そして、太陽熱で沸かしたお湯を優先的に使うというシステムが、長府製作所の太陽熱を利用したエコキュートです。

    また、矢崎エナジーシステム株式会社のほうは「天候を予測する機能」で、太陽熱で多くお湯を沸かすか、ヒートポンプユニット(エコキュート)でお湯を多く沸かすかを決めます。 どちらのシステムでも、天気が良ければ太陽熱温水器の基本的な仕組みでお湯が沸かせることになります。仮に天気が悪い場合でも、エコキュートの仕組みがあるため、十分なお湯が沸いているということになるのです。

    これが太陽熱温水器だけしかなければ、お湯の温度が低い場合などがあり、お湯を沸かさなければならないことになっていました。その太陽熱温水器の不便な点を補うためにエコキュートを使うという便利な仕組みに仕上げているのです。

    エコキュートと太陽熱温水器を併用する

    4 費用対効果を上げるには?

    エコキュートだけよりも、太陽熱温水器の仕組みも持ち込んだ「太陽熱を利用したエコキュート」のほうが、より費用対効果は高いと言えます。しかし、少し使い方を工夫するだけで、より費用対効果を上げることもできるのです。

    4.1 正確な天気予報

    最も注意しておきたいことは、太陽熱温水器の「晴天を生かせる」というメリット。太陽熱を利用したエコキュートも、晴天の日には太陽熱をたくさん集めてお湯を沸かすことができます。つまり、次の日の天気予報が費用対効果を上げる近道になるのです。

    矢崎エナジーシステム株式会社の「太陽熱集熱器対応型エコキュート」は、天候を予測する機能があります。この機能で自動的にエコキュートが効率良く働くため、天気予報が重要とは言えないでしょう。

    一方で、長府製作所の「太陽熱利用給湯システム」は、翌日の天気が晴れの場合には「はれセーブ」を使うことで、太陽熱をより多く使えるようにエコキュートの稼働をセーブしてくれます。つまり、正確な天気予報を知ることが、エコキュートの費用対効果を上げることになるのです。

    4.2 お湯の使いすぎに注意する

    エコキュートはお湯を使っても「沸き増し」という機能がある場合も多く、お湯切れになるということも少ないと言えます。そこで大切になるのが、お湯の使用量。お湯を使いすぎると、エコキュートがお湯切れになって沸き増しすることになります。

    エコキュートは深夜の安い電力でお湯を沸かしますが、お湯切れになって沸き増しをする場合は昼間の高い電力でも使用します。つまり、エコキュートの費用対効果を下げることにつながるのです。 そのため、必要以上のお湯を使わないようにすることが大切です。また、お湯切れにならないように貯湯タンクの容量が大きいエコキュートを導入する方法も、費用対効果を上げるためには大切になります。

    4.3 新築住宅は屋根の向きを工夫する

    太陽熱を利用したエコキュートは、より新しい製品と言えます。そのため、これから新築する人も太陽熱を利用したエコキュートの設置を検討しているのではないでしょうか。

    そこで重要になるのが、新築住宅の屋根の方角。太陽熱を利用するには、屋根が南側に向いていることがポイントになります。小学生のときに理科で習ったと思いますが、太陽光を効率良く集めるには南に向けることが良いですよね。太陽熱を利用する場合も同じと言えます。

    様々な条件によっても異なりますが、家を新築するときに太陽熱を利用したエコキュートを導入するのであれば、屋根の向きにも気を配るようにしましょう。太陽熱を集める効率が大きく変わり、費用対効果を上げることにもつながりますよ。

    また、新たに太陽熱利用システムを導入する場合、経済産業省「再生可能エネルギー熱利用加速化支援対策費補助金」という補助金を受けられる場合があります。これは設置工事の前に申請することで補助金を受けられるシステムです。太陽熱を利用したエコキュートを設置する場合には必ず対象かどうかを確認しましょう。

    太陽熱利用システム

    5 まとめ

    太陽熱温水器とエコキュートの併用について解説してきました。太陽熱を利用したエコキュートでは、太陽熱温水器の仕組みをエコキュートに使うために改良されていますが、根本的な考え方は同じと言えます。そのため、ある意味では太陽熱温水器とエコキュートを併用していると考えても良いでしょう。

    エコキュートだけを導入するよりも、太陽熱を利用したエコキュートのほうが今後は増えてくると考えられます。エコキュートの買い替えや新規の導入を考えている場合には、太陽熱を利用したエコキュートを検討してみるのが良いですよ。

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