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エコキュートがうるさい!騒音の原因と近隣トラブルへの対策

エコキュートがうるさい!騒音の原因と近隣トラブルへの対策

エコキュートは光熱費の節約や安全性の面で優れていますが、ほかの給湯器よりも騒音トラブルになりやすいことをご存知ですか。実はエコキュートの騒音は、隣人にも自分にも降りかかるおそれがあるので、注意が必要とされています。

そこで、エコキュートの騒音トラブルについて、詳しく解説します。エコキュートが原因の騒音トラブルを回避する方法や騒音対策、騒音トラブルの実例と解決策など、エコキュートを設置するときに役立つ情報をお届けします。

目次

    1 エコキュートの騒音トラブルとは?

    エコキュートの騒音トラブルの大きな原因はヒートポンプユニット。ヒートポンプユニットが稼働するときに出る低周波音で体調を崩す人が多く、騒音トラブルに発展してしまうケースが多いのです。

    1.1 エコキュートはどんな音がする?

    エコキュートには、エアコンにも使われている「ヒートポンプユニット」という仕組みが採用されています。そのため、エコキュートが運転しているときはエアコンと同じようにファンが回転する音などがしているのです。

    しかし、エコキュートの運転音は「約50~60dB」というのが一般的。これは昼間の閑静な住宅街の騒音レベルと同程度で、そこまでうるさいと感じる人はいないはずです。同じヒートポンプユニットが使われているエアコンは「約55~70dB」なので、それと比較してもエコキュートだけがうるさいは言えません。

    実は、エコキュートの騒音トラブルは運転音が原因ではなく、エコキュートが発する「低周波音」が最大の原因。低周波音は周波数が100Hz以下である音のことを言います。しかも、人間が低周波音を体に感じると、その影響が体に出るおそれがあると、多くの専門家から指摘されているのです。

    また、エコキュートのヒートポンプユニットは、低周波の中でも「15~20Hz以下」の低周波を出しています。この音域は人間の耳で聞くことができないのですが、体には感じてしまうのです。体に感じたときに影響が出ない人もいますが、体調不良の引き金となってしまうという人も少なくありません。これがエコキュートの騒音トラブルの大きな原因とされているのです。

    1.2 エコキュートの低周波音が原因となる症状

    消費者庁などがエコキュートの低周波音の影響を調べたところ、次のような症状が見られた人がいたという報告があります。

    エコキュートの低周波音(騒音トラブル)によって、このような症状が出たという報告があります。また、環境省によれば、エコキュートの低周波音に関する苦情は多い年で年間50件超。すべてが騒音トラブルに発展している訳ではありませんが、エコキュートの設置が騒音トラブルにつながるおそれがあるということは理解できるのではないでしょうか。

    実際に報告されている症状は以下の通りです。

    • 不眠、睡眠不足
    • 頭痛
    • 耳鳴り
    • 肩こり
    • 食欲低下、食欲不振
    • 動悸や脈拍の異常
    • 倦怠感、イライラ感
    • 不定愁訴

    ※不定愁訴とは? ⇒ 頭が重い、疲れが抜けない、体調が悪いなどの主観的な自覚症状があるにもかかわらず、客観的な症状や原因が見つけられないために病気であることが断定できない状態のことを不定愁訴と表現します。ひどい肩こり、腰痛などが含まれることもあります。

    1.3 実際にあったエコキュートの騒音トラブルの事例と解決方法

    エコキュートの騒音トラブルを解決する方法の一つとして、消費者庁は一般社団法人日本冷凍空調工業会が出しているエコキュート(家庭用ヒートポンプ給湯器)の据付けガイドブックの活用を推進。併せて、次のようなエコキュートの騒音トラブルの事例を紹介しています。

    騒音トラブルの実例 60歳代の女性の寝室から距離にして3.5mほどの地点に隣家のエコキュートが設置された。エコキュートの設置後、女性は不眠になったと自治体に騒音トラブルを相談。
    実際の解決方法 相談を受けた自治体の担当者が、エコキュートの据付けガイドブックを女性の隣家の住人に示す。エコキュートの設置方法に理解を示した隣家の住人は、エコキュートを女性の寝室から約9m離れた場所に移動し、エコキュートの向きを変えたことで女性の不眠が解消した。

    このエコキュートによる騒音トラブルは平成23年に報告されています。現在ではエコキュートの据付けガイドブックに従った設置が行われるようになっていますが、住宅事情は地域ごとに異なるのが実情です。ガイドブックに従っていれば、騒音トラブルにならないとは限りません。エコキュートの騒音がトラブルの原因にならないような対策は十分に講じておきましょう。

    2 エコキュートの騒音が近隣トラブルになったときの対処法

    据付けガイドブックに従ってエコキュートを設置した場合でも、周囲の状況などによっては騒音トラブルに発展することがあります。そこで、もしもエコキュートの設置で騒音トラブルが起きてしまった場合の対処法を解説。

    2.1 エコキュートの設置状態を確認する

    エコキュートの騒音によってトラブルが起きた場合、最初に確認するのがエコキュートの設置状態。今ではほとんどの業者が隣家との適切な距離や配置を考えてエコキュートを設置してくれます。そのため、エコキュートの設置場所に問題があるというケースはほとんどないのです。

    そこでポイントになるのが、エコキュートの設置状態。エコキュートを設置したときと周囲の状況が変わっていないか、設置状態に異常がないかなどをチェックする必要があります。具体的には、一覧のポイントをチェックしてみましょう。

    チェックポイント 内容
    エコキュートの設置状態
    • きちんと水平な場所に設置されているか?
    • 固定用の器具にずれはないか?外れていないか?
    • 本体の故障、部品トラブルなどはないか?
    • ヒートポンプユニットの向きは変わっていないか?
    周囲の状況
    • エアコンの室外機などを取り付けていないか?
    • エコキュートの周囲に壁を作っていないか?
    • エコキュートの周りに物を置いていないか?
    • 本体にゴミや汚れは溜まっていないか?
    • 相手の家の間取りが変わっていないか?
    防音の状態
    • 防振ゴムなどは適切に設置されているか?
    • 架台や緩衝材に問題はないか?壊れていないか?

    一覧の内容に当てはまる項目があれば、それが原因でエコキュートの騒音が通常よりも大きくなっている場合があります。まずは、その問題を解消しましょう。

    また、特に注意しておきたいのは、本体の故障、エアコンの室外機、防音の状態の3つ。本体が故障したり部品に異常が発生したりすると、エコキュートの稼働音が大きくなることがあります。気づかないこともあるため、点検を依頼してみることも重要です。

    次にエアコンの室外機ですが、エコキュートとは無関係と考えている人も少なくありません。しかし、エコキュートのヒートポンプユニットとエアコンの室外機の位置関係によっては、互いの稼働音を増幅したり、うなり音を出したりすることがあるので要注意。

    さらにエコキュートの騒音を防ぐために設置した緩衝材や防振ゴムなどは、何らかの原因で破損してしまうこともあるのです。ゴミなどが溜まって効果が半減することもありますし、経年劣化や豪雨などで破損して防音効果がなくなることもあるので、十分に注意しておきましょう。

    エコキュートの騒音が近隣トラブルになる?

    2.2 状況確認と話し合いを行う

    エコキュートの設置状態などを確認して問題がなければ、トラブルの相手と話し合いをします。どの程度の騒音被害があるのか、エコキュートの騒音によって何らかの症状が出ているのかなどを確認してください。そのうえで、どうすれば互いに妥協できるのかを話し合って解決策を見つけるのが良いですよ。

    また、エコキュートを設置する場合には騒音トラブルになるおそれがあるということは理解しておく必要があります。万が一エコキュートの設置で騒音トラブルになった場合はどうするのかもエコキュートの設置前に考えておくことも大切です。

    2.3 互いに可能な対処法を試す

    話し合いで妥協点が見つからない場合、取りあえず、エコキュートの騒音に対する「対処法」を試すという方法があります。絶対的な解決策ではありませんが、互いに妥協できた解決策を講じるまでの一時的な処置としても効果的。まずは対処法を試すということを提案してみるのも良いかも知れません。

    具体的には、次のような対処法があります。

    • 寝室やベッドの位置を変える
    • 耳栓(ノイズキャンセリング機能付き)を試す
    • 窓を変える/二重窓にする
    • 換気扇の外部のフードに防音材を設置する

    こちらは、騒音トラブルの相手に試してもらう対処法です。寝室やベッドの位置を変える方法以外は費用がかかりますが、エコキュートを交換したり別の給湯器にしたりすることに比べると安くなります。ただし、必ずしも効果があるとは限らない点には注意しておきましょう。

    反対に、エコキュートを設置している側の騒音トラブルへの対処法には、次のようなものがあります。

    • ヒートポンプユニットの向きを変える
    • ヒートポンプユニットを移動させる
    • ヒートポンプユニットに防音対策を施す
    • 防音壁を設置する

    エコキュートを設置する場合、ヒートポンプユニットの向きと場所は重要なポイント。エコキュートの設置後に騒音トラブルになった場合は、ヒートポンプユニットの向きを変えたり移動したりすることを検討しましょう。

    また、防振ゴムや緩衝材、防音シートなどは、エコキュートの騒音トラブルを回避するためには重要な対策です。騒音トラブルに発展しないように必ず購入・設置をしておきましょう。

    防音壁はエコキュートの低周波音を遮るためにはとても効果的な対策となりますが、費用はかなり高額。しかも、自分で適当に壁を作っても意味がありません。周囲の壁や塀から反射する音なども上手に遮るように壁を設置しなければならないため、防音壁は専門家による計算と設置が必要となります。

    エコキュートの騒音対策

    3 騒音トラブルにならないための対策

    エコキュートの騒音トラブルに対処することも大切ですが、最初から騒音トラブルにならないように工夫・対策しておくことは、エコキュートを設置するときの重要なポイントです。エコキュートを設置すると決めたときには、同時にエコキュートの騒音対策もするようにしてください。

    3.1 音がうるさくないエコキュートのメーカーや機種を選ぶ

    最も単純なエコキュートの騒音対策は、音が静かなエコキュートのメーカーや機種の選択。音が静かであれば、エコキュートを設置しても騒音トラブルになりにくいのは言うまでもないでしょう。

    エコキュートのメーカー 最新のエコキュートの稼働音(中間期/冬期)
    三菱電機
    • 51dB/56dB(貯湯ユニット:370L)
    • 55dB/58dB(貯湯ユニット:460L)
    • 57dB/60dB(貯湯ユニット:550L)
    パナソニック
    • 50dB/55dB(貯湯ユニット:370L)
    • 54dB/57dB(貯湯ユニット:460L)
    東芝
    • 51dB/57dB(貯湯ユニット:370L)
    • 55dB/59dB(貯湯ユニット:460L)
    ダイキン
    • 51dB/57dB(貯湯ユニット:370L)
    • 53dB/58dB(貯湯ユニット:460L)
    コロナ
    • 51dB/56dB(貯湯ユニット:370L)
    • 55dB/57dB(貯湯ユニット:460L)
    日立
    • 51dB/55dB(貯湯ユニット:370L)
    • 55dB/57dB(貯湯ユニット:460L)
    • 57dB/60dB(貯湯ユニット:560L)

    エコキュートの稼働音は、メーカーによる差はほとんどありません。一方で、貯湯ユニットのサイズが大きい機種は、それだけ稼働音が大きいというのが一般的。エコキュートの貯湯ユニットが大きい場合にはお湯切れを起こす心配はなくなりますが、必要以上に大きいサイズを選ぶと騒音トラブルの原因となりやすいことも考慮しておきましょう。

    また、エコキュートは年々進化しています。稼働音も少しずつですが、小さくなっているのです。エコキュートは給湯器の中では長く使えるほうですが、思い切って新しい機種、最新のエコキュートに交換することで騒音トラブルの対策になるという面があることも理解しておきましょう。

    3.2 エコキュートの最適な設置場所を探す

    エコキュートの低周波音による騒音トラブルを避けるためには、最適な設置場所を見つけることが重要。特に隣家との距離が近い場合などは、エコキュートの設置場所が少しずれただけでも騒音の感じ方が大きく異なるため、十分に検討することが大切です。

    エコキュートの設置場所を決めるときは、次のポイントをチェックしておきましょう。

    チェックポイント 騒音対策の内容・選び方
    家の間取り
    • 可能な限りは寝室から距離を置く
    • 窓や玄関から距離を置く
    • ヒートポンプユニットは夜間に人がいない方向(部屋がない場所、道路など)へ向ける
    騒音(低周波音)の侵入口
    • 窓や通気口(換気扇)から距離を置く
    • 玄関から距離を置く
    • 床下換気口から距離を置く
    設置場所
    • 最も広いスペースが確保できる場所を選ぶ
    • そばに壁や塀、建物(倉庫)などがない場所を選ぶ
    • 振動しにくい頑丈な架台を設置できる場所を選ぶ
    • エアコンの室外機から距離を置く
    • エアコンの室外機の向きを考慮する

    エコキュートは深夜に稼働する、深夜電力でお湯を沸かす給湯器。そのため、エコキュートは寝室から距離を置くことが大切です。隣家の寝室の位置を確認しておくことも重要ですし、自分にもエコキュートの騒音が降りかかるおそれもあるため、自宅の寝室付近を避けることも忘れないようしましょう。

    通気口や通風孔、換気扇、玄関、窓などは壁面よりも音が入りやすい場所。このような場所がエコキュートのヒートポンプユニットの近くにあると、どうしても騒音や低周波音の侵入口となってしまいます。すべてを避けるのは難しいかも知れませんが、窓や玄関など、音の侵入口となる場所でより面積が大きい場所を優先的に避けることが大切です。

    周囲に壁や建物があると、騒音は反響により大きくなることがあります。さらにエアコンの室外機はエコキュートの騒音と相まって、うなり音の原因となるので注意が必要。できるだけ周囲に物がない場所、広い場所を選んでエコキュートを設置しましょう。

    3.3 エコキュートの設置のときに対策をしておく

    エコキュートの設置業者に適切な位置を見つけてもらうことも大切ですが、自分でできる騒音対策をしておくことも重要なポイント。次のような対策を講じておきましょう。

    • 水平な場所に設置してもらう
    • しっかりとした架台を選んで設置してもらう
    • 防振ゴム、防音シート、緩衝材を活用する
    • 可能であれば防音壁を設置してもらう

    エコキュートを設置する場合、意外と重要なのが架台です。今は様々な架台を選ぶことができますが、しっかりとしている物や破損しにくい物を選びましょう。例えば、エコキュートの架台のネジが外れてしまうと、振動が伝わりやすくなって逆効果。少し高価でも、できるだけ良い架台を選ぶことが大切になります。

    そのほか、防振ゴムや防音シートは比較的安くて高性能な製品が増えています。少しの出費でエコキュートの騒音トラブルを抑制できるため、必ず購入して設置しておきましょう。

    4 まとめ

    エコキュートの騒音の原因と騒音トラブルへの対処法・対策を解説しました。エコキュートの騒音の原因である低周波音は軽減することが難しいため、エコキュートを設置するときに影響が出にくい場所を選ぶことが最も重要です。また、エコキュートの騒音対策に使える防振ゴムなどは比較的安いため、必ず購入して設置するようにしてください。

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